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2012.01.20

フリーランスのリスク

2018.1.28編集
いちいち書かなくてもわかってることとは思いますが、
フリーランスのイラストレーターで生計をたてられる人は多くはありません。

あまり楽しい話ではないですが、安易にフリーランスイラストレーターを目指して、進学や就職を怠ると、けっこう大変なことになるので、ある程度は考えておいてほしいと思います。

こちらの記事では、
「プロのイラストレーターの年収は、100万円以下の割合が53パーセント」
「年齢でみると20〜30代が80パーセント」

というデータについて、お話されています。

ツイッターのまとめもありますね。プロアマいろいろな人が意見を寄せていて興味深いです。

イラストレーターはプロの基準がなく「名乗りさえすればプロ」という状況ですが、このデータはイラストレーター協会に登録されているイラストレーターへのアンケートみたいですね。
この協会に登録するには、入会金5,400円と年会費6,480円という、あまり安くないお金がかかるのです。
そこを考えると、少なくとも「そこそこ、本気で活動しているプロイラストレーター」が対象になっていると考えていいと思います。

半数以上が年収100万以下というのも、かなり衝撃的な数字です。
小中学生だとぴんと来ないかもしれませんが、これは「絶対に生活できない収入」です。
テレビとかで紹介している「節約貧乏生活!」みたいなので、風呂ナシ四畳半アパートに住んで、ごはんまともに食べられないような人でさえ、年収150万くらいはあると思います。
「地方で、扶養家族がいなければ、なんとか普通の生活ができる」年収が、300万くらいと考えてください。

そうなると、上記URLのデータによると、「自活できるだけの収入を得られているフリーランスイラストレーターは20~30%くらいしかいない」ということになります。

繰り返しますが、これは「プロ」の話です。「プロとして活動している人間の7割は生活ができない」ということです。
(イラストだけで生計をたてる人をプロと定義づけるなら、話は違ってきますが)

そして、さらに恐ろしいのは「年代」グラフだと思います。
20〜30代が80パーセントって、「若い人が頑張れる業界なんだな!」ではありません。「年をとる前に辞めるしかなくなる業界」ってことです。

そして年とってから辞めても、日本では他の仕事に就くのは困難です。正社員になれるのも20代くらいまでだし。
フリーイラストレーターのキャリアなんて、イラストレーター以外で活かせる仕事はそうそうないし。
20代でやりなおした人はいいけど、30代とか40代で辞めたら、次はどうしたらいいんだろう・・・。



そもそも、フリーランスでイラストレーター専業でやるというのは相当に厳しいと思います。

これは、そもそもイラストレーターという職業が完全に労働集約型の仕事であるのに加え、近年IT化がすすみ、ちょっとしたイラストなら素人でも簡単に描けるようになって価値が大幅に下がったこと、特にコミック系のイラストはもともとまともな金額を出せるクライアントが少ない上に、需要過多で相場が下がっているからです。

イラストレーターという職業は、↓以下のような理由により、単価が高くないと成り立たない仕事です。
しかし、単価の高いイラスト仕事なんて多くないです。

・個人でやっている以上量産に限界がある

・よほど作風が多岐に渡る人でなければ、量産すればするほど、飽きられるのが早くなる

・漫画や小説のように「印税」という「歩合制によって爆発的に稼ぐ」「過去の作品が稼いでくれる」方法がほとんどない
(つまり、日雇いバイトと同じ。そのとき働いた分しか入ってこない)

・漫画や小説のように「連載」という「定期収入の道」が非常に少ない



2000年くらいまでは、まだバブルの余韻か単価の高い仕事もあったようで、このあたりまでの時代にイラストレーターをやっていた人と、これ以降にイラストレーターになった人では、大分感覚が違うのではと思います。
(質問サイトなどで、イラストレーターについて質問する場合、そのことを頭に入れておいたほうがいいと思います。アラフィフ以上のバブル期の成功談は何の参考にもなりません)

あと、痛いのは、連載と印税がないことです。特に印税。
イラストレーターは連載があっても、漫画家のように毎回何十ページもあるわけじゃないですし。せいぜい小説のカット数点とか、イラストレポの1〜2ページでしょう。
印税もないですから、一度描いたらその分のお金しかもらえませんしね。ラノベの表紙だって、相場5〜10万くらいです。挿絵まであわせて20万あればいい方です。私もラノベの表紙・挿絵は何度か担当しましたが、まあそんなもんでした。
何百万部売れたって、イラストレーターには一ヶ月生活できるどうか、レベルのお金しか入ってこないわけです。
ハイリスクですがローリターンという、鬼畜な仕事だと思います。

考えれば考えるほど、こんな仕事で一生生活なんて、どうするんだろう?と私なんかは疑問に思います。

多数の作風を使い分けられる、器用な作家か、作業的な仕事を多数こなせるようになる作業員的な感じか、あるいは一つの案件で100万単位の収入が得られるカリスマになるか…?と思います。

ま、現実的なところ、コミック系の人は同人漫画やエッセイ漫画で稼ぐなど結局「漫画」で稼ぐ人が多いように思いますが。
ちなみに私もご縁あって漫画本を出しましたが、イラスト年収の10倍近くになりました。(イラストの年収が低すぎるって話もあるけれど)、漫画は当たればデカいです。


ともあれ、完全フリーランスでイラストレーターを目指すならば、「生活費はどうするのか」「将来・老後はどうするのか」をある程度は真剣に考えておかないといけないと思います。
私はムリだと書きましたが、何らかの方法でちゃんと一生分お金を稼ぐ道をつくれるなら、もちろんそれでいいと思います。

このへんの話については、「自営業の老後」という本が詳しいと思います。まさにイラストレーターさんの話です。
フリーランスでやっていこうと考える人は、一度読んでおくといいと思います。



生き残るのは強い生物でも賢い生物でもなく、変化に適応できる生物だといいます。
世の流れや自分の状況などをよく考えて、生活手段を確保してゆく姿勢というのは大切だと思います。

イラストレーターとして成功する、というのは漫画家以上に決まった道筋がありませんので、気になる方は、自分が目標とするイラストレーターさんがどういう道筋をたどってそこまで行き着かれたのか、多数調べてみるといいと思います。
何十人か調べれば、だいたいの傾向はわかるのではないでしょうか。

ネガティヴな話ばかりになりましたが、フリーランスイラストレーターを目指す方は、そのあたりの覚悟は必要です。

おうちが裕福ではないなどの理由で、何が何でも自立しないといけない方などは、フリーランスイラストレーター専業を目指すのは、ものすごくリスクが高いと言えるでしょう。
学生のうちに売れて売れてしょうがないという状態になっていなければ、まずは、他に定職を確保したうえで、兼業という形をすすめます。

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