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2015.08.15

イラスト「系」、絵「関係」って…ナニ?

「進路の考え方」の中で軽く触れていただけだったのですが、某質問サイトでなんだか見ていて不安を感じることが多かったので、わかる範囲ですが、ここに別途わけました。
私自身、いろいろやってみたり考えてみたりしたことがあるので、参考になればと。

さて、最初に。


絵が好きだから絵に関する仕事・・・・というところまではなんとなく考えている人が多いと思いますが自分が絵に関する「何が」好きなのかは、早くから意識して考えておいたほうがいいと思います。



たとえば某質問サイトでは「将来、イラスト系の仕事につきたいと思っています!」と言う子がけっこういますが・・・。


・・・「イラストの仕事」って、ナニ?

って思いますね。

「イラストを描く仕事」は、「イラストレーター」だけです。
せめて入れるなら「グラフィッカー」くらいまで。

他に「イラスト系」の仕事って、いったい何を指しているのか・・・。

まして、「イラスト系の仕事がしたいのでイラスト専門学校に行きたいのですが、就職できますか」などという質問をしている子がいると、ますます混乱します。

就職??なんで???
イラスト専門学校に行くってことは、イラストレーター志望なんじゃないの??
イラストレーターは、就職する仕事じゃないぞ??
漫画家も、画家も、絵本作家も、就職する仕事じゃないぞ??
アニメーターか??あれも厳密には就職じゃないぞ??(会社によるけど)
確実に就職するのはグラフィッカーくらいだけど、じゃあなぜ「グラフィッカー希望」と明記しないんだ??
他にどういう「イラスト系の仕事」で就職できると思ってるんだ???
デザイナーか???
デザイナーは「イラスト系の仕事」じゃないぞ???絵はかかないぞ??
っていうか、デザイナーになりたいなら、イラスト専門学校じゃなくデザイン専門学校だろ??
イラストだけ描けてもデザインスキルはまったく別モノだぞ??

この子はいったい、ナニになりたいんだ??専門に行く年齢で、それもわかってないのか???
そんなにわけがわからない状態で、専門学校なんか行っても、ナニにもなれないぞ??



こんな感じで、いろいろ心配にもなりますよ。

つまり、「イラストの仕事」「絵関係の仕事」という曖昧な言葉を使う子の多くが、将来をちゃんと考えてないんです

そして、もっと悪い場合には、この世に存在しない仕事を漠然と目指していたりします。

彼らがなぜ、「イラストレーターになりたい」「漫画家になりたい」というように、ちゃんと職業を絞れないのか。

単純に「何も考えていない」「まだ一つを選べない」場合もあるでしょうが・・・、けっこう多いのは、「そういう仕事は競争率が高そうだし、成功できるのは一握りっていうし、自分には多分無理」…と、挑戦すらせず、最初から漠然と諦めているケースだと思います。

では、彼らが目指す「イラスト系の仕事」とは何かというと
「イラストレーターとか漫画家みたいに、リスクが高くて才能が必要な仕事じゃなくて、専門学校とかで真面目に勉強したら普通に就職できる、ハードルが低くて、待遇が安定した、『イラスト系の仕事』」
…なんだと思います。


そんな仕事ないです。
そんな仕事があると信じて、イラスト専門学校とか行くと、えらいことになっちゃうので注意してください。


絵やイラストの仕事ってね、残念ながらそういう仕事じゃないんですよ。
才能も努力も必要で、競争率も高くて、待遇も不安定な仕事しか、基本はないんですよ。
この記事でもさんざん書いたとおりです。

リスクを負う覚悟はない、それほどの才能や自信もない、具体的な努力もしていない、そもそもちゃんと調べてすらいない。でも好きなイラストの仕事には就きたい・・・、
っていうか、ぶっちゃけ勉強したくないし、本格的な美大とか無理だし、高卒で働くのも嫌だし、なんか楽しそうな専門とか行ってみたいし、多分専門とか行ったら絵も上手になって、普通に就職とかどこかにはできるでしょ、多分…、

そんな都合のいい話、ないんですよ。



いや、小学生や中学生くらいまでならいいんですよ。その歳で将来を具体的にきっちり決めてる子の方が少ないし、まだまだ準備期間はありますから。今から自分で調べて準備をしてください。

問題は高校2~3年くらいで、まだそんなことを言っている子です。
ある程度、ちゃんと将来考えられる子なら、中学生くらいから職業ちゃんと絞っていって、具体的にどういう進路をとって、その職業に就くのか、調べますからね?
絵やイラストの仕事って、上記のとおり競争率の高い仕事しかないんです。なのに、高3にもなって、そんなこともできてないレベルの子は、無理とは言いませんけれど、かなり可能性は低いですからね。

昔は、そんなレベルの子は、絵の仕事なんて目指せなかったんです。
なぜなら、絵を志すための進路は、美大や芸大しかなかったから。まともに調べてない努力もできない子は、美大や芸大に合格できないんだから、そこで諦めて他の進路を目指すことができた。
完全に資質がない子は、入り口でちゃんとハネられたんです。そのほうがその子にとっても幸せなんです。だって他の進路にちゃんと進めるんだもの。

現在は、たちが悪いことに「イラスト専門学校」「漫画専門学校」という、「どんなデキの悪い才能のない子でも金さえ払えばとりあえず入れる(でも出口はない)」罠のような進路がありますからね。
資質がないのに、金だけ払わされて、就職もできないのに他の進路にも今更進めず…、ってひどいことになっちゃいますからね。
この罠にひっかからないように、ホント注意してください。

なので、もしここを読んでいる人にそういう子がいましたら、今すぐ「自分が就きたい仕事は具体的に何なのか」をよく考えて調べてください。

そして、その職業に就くために必要な道のりや手順もちゃんと調べ、それに適した進路を選んでください。

選ぶ職業によっては、美術系の進路が必要ないこともありますし、むしろ美術系の進路を選ばない方が良いかもしれない場合もあります。逆に、美術系の進路をとらないと厳しいものももちろんあります。

そのへんのことは、また詳しく書いていきます。

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2012.01.31

絵に関する「何」が好きなのか

さて、「絵に関するどういう仕事につきたいのか」を考えるにあたって、考えた方がいいと思ったことを書きますね。


1.仕事のジャンル的なこと

この記事で、イラスト「系」、絵「関係」という曖昧な考え方はやめてくださいと書きました。
そういうふわっとした仕事はありませんのでね。
高校生になるくらいの年齢では、ある程度はジャンルを絞らないといけないわけですが、ここでもちゃんとその仕事が何をする仕事なのか、調べておかないと進路を選んだあとで、「しまった!」ってことになります。

たとえば、たまに聞くのが「絵が好きなのでデザイナーになりたいです」という志望です。
なんとなく似たカテゴリで考えているのでしょう。
確かに、まったく無関係ではありません。が、今「デザイナー」と呼ばれる人の、大半は絵は描きません。
せいぜいデザインのラフ画くらいでしょうね。絵というか図みたいなものですが。
ですので、「絵を描くのが好きだからデザイナーに」と考えていると、アテが外れることになるかもしれません。


また、私の知人で、「絵が好きなので漫画家になりたい」と言って、何年も投稿を繰り返し、メジャー誌で担当がつくまでになった人がいますが、担当がついたとたん漫画家志望をやめてしまいました。
担当がつくと、自分のペースで好き勝手に作品は描けません。プロットやネームを詳細に詰めて、何度も何度もつくりなおします。なかなか作画にすすめなくなります。

「絵が描けないのがこんなに苦痛とは思わなかった、自分が本当に描きたいのは漫画じゃなくて絵だった。やっぱりイラストレーターになる」と言って、実際イラストレーターに転向してしまいました。
残念ながらイラストレーターとしてはうまくいかなかったらしくて、今は結婚し、趣味でたまに同人誌のみの活動をしているようですが。
こういう話は割りとききます。

なかなか事前に見極めが難しいですが、自分が絵に関する「何」が好きなのかは、よく考えておき、同時に目指す職業が具体的に何をする職業なのか、どういった手順で進めるものなのかも、できるだけ調べておきましょう。



2.仕事と趣味は違うということ

これもねー。多分頭ではわかっている人が多いと思います。
絵が好きだから絵の仕事をっていう人の多くは、プロのイラストレーターなどから「仕事と趣味は違う」というようなことを必ず言われますからね。
私も言われましたし、言われた当時は「それはよくよくわかっている」と自分で思っていたのですが…、体験するとやっぱり違いますね。

絵が好きな子の大半が、「自分の作品を作るのが好き」なんですよね。
当たり前です。だって進路を選ぶような段階の学生で、「自分の作品以外の作品」を作る機会なんて、ほとんどありません。
もちろん、美術授業の課題だとか、卒業文集の表紙だとか、文化祭のポスターだとか、人から依頼された作品を作ることはあると思いますが、依頼者が厳しく何度もやりなおしを命じたり、まったく意に沿わない修正を入れる、なんてことはあまりないでしょうからね。

でも、仕事にするならば、「自分の作品」ではなく、「その仕事」を好きでなければならないわけです。

たとえば。


「絵が好き」だから「アニメーター」になってみたけど、中割動画を何百枚もえんえん機械のように描く作業に耐え切れず、「もっと自分の好きに描きたい」とやめてしまう人もいますし、「ゲームとイラストが好き」だから「ゲーム会社のイラストレーター」になったけれど、実際仕事をしてみたら、深夜までドットを打ち続ける仕事で、「こんなのゲームでもイラストでもない」と、半年でやめてしまった人もいます。


アニメーターやゲーム会社社員になるなら、「自分の好きな絵やイラストを描く」ことではなく、「アニメやゲームを、組織の一部として制作する」という「仕事」に喜びを感じられる人でなければ、もたないわけです。

イラストレーターにしても漫画家にしても、またかなり自由に見える画家やアーティストですら、「仕事」である以上、「自分の好きな作品」にこだわり続けることは非常に難しいです。


また、この系の仕事の難しいところは、たいてい拘束時間が生命にかかわるレベルで長いとか、待遇が極端に不安定で兼業しなきゃいけないとかで、「仕事は仕事と割り切って、好きな作品は趣味でつくる」ってことができないことにあります。
要は趣味なんかできる時間はないってことですが。ほんと仕事と、あとは生命を維持するだけで精いっぱいって感じになるので。

なので、「本当に好き」なことなのか、よくよく考えて仕事にしないと「仕事も思ったほど好きでもない」「かといって仕事が激務すぎて好きなこともできない」「おまけに待遇悪い」という最悪な状況になってしまいます。そのうえ、ツブシきかないですからね〜、方向転換も大変です。


「自分の好きな作品をつくる」ことにこだわりがある人は特にきっついと思います・・・。


こういうのは難しいところで、いくら知識として事前に知っていても、実際に仕事としてやってみないと、自分が本当にやりたいことなのか、あっているのか、わからないということがよくあります。
また、目指しているうち、やっているうちに時代が変わってしまったということもままあります。
ITやネットによって、世の中の流れは非常に速くなってしまいましたから。


しかし、進路のところで書いたように、今の日本は、一度学生という身分を捨てて(卒業して)世に出てしまうと、転職が容易ではなく、何度もやりなおしができません。
「やってみてあわなかったからやめて、他の仕事につく」ということが、かなり難しいのです。
1回はなんとかなりますが、何度もやりなおしをしていると、人生の難易度はかなりハネあがります。

ですので、なるべくそういうことにならないように、やっぱりできるだけの準備はしておくといいかと思います。


幸い、絵や漫画を描く、デザインをつくる、ということは、学生のうちからやることができます。
学生からプロになれてしまう人もいますが、そこまでなれなくても、プロに近いことをやることはできます。
少なくとも、自分が本当にその作業を好きなのか、最低限レベルの能力はあるのか、そういった判断の目安くらいにはなると思います。
私が漫画において、「とにかく自力で一作持ち込め」と書いているのも、その目安になるからというのが大きいです。

結局は仕事にしてみてからしか、わからないことは多々あるとは思いますが、一作も漫画を描いたこともないのに、なんとなく漫画専門学校に入った後で、「自分は漫画を読むのは好きだけど、描くのは別に好きじゃなかった!でもいまさらどうしよう」なんてことにならないように、やれることは、どんどんやっておいて、「予行練習」をするとよいと思います。


なお、これは他の仕事でも一緒です。
結局やってみないとわからないんですよ。
だから学生でもできる限り、なるべくいろいろな仕事をどんどんバイトで経験するのをおすすめします。

自分が好きなのが「絵画」なのか「イラスト」なのか「漫画」なのか「アニメ」なのか「ゲーム」なのか。

そういったものを「見る」のが好きなのか「作る」のが好きなのか「関わる」だけでいいのか。

「自分の作品」としてでなく、「商品を制作する仕事」として好きでいられるのか。

自分にそういった能力や適性があるのか。



たいして待遇いい業界でもないし、不安定だったり、激務だったりするし、好きじゃなかったらとうてい持たないです。
人気業界なんで、入るだけでも大変ですしね・・・。


 


うかつに美術系にしか行けないような進路をとる前に、できるだけのことは実際に動いて体験しておきましょう・・・。


2012.01.30

絵を「描く」仕事

さて、「絵に関する仕事」というのは実はそんなにないです。
特に「絵を描く仕事」というのは少ないですね。

●画家
●イラストレーター(グラフィッカー)
●絵本作家
●アニメーター・アニメ背景画家
●漫画家




ざっとこれくらいじゃないかと思います。
ちょっと変わったところでは
●警察内の似顔絵作家
などもあるようです。


一つ一つの仕事については、わかる限り(私がわかる部分ってほとんどないんですけど・・・)別に書きますね。


最後の警察については公務員になるので別とします。また、アニメーターも会社に所属しますので、別としますが、それ以外の仕事の共通点は、「ほぼ自営業である」ということと、「本当に1部の人間しかそれ専業では食べていけない」ということです。


この一部というのは、職業にもよりますが、「絵の上手な人が10人いたとしたらそのうち1人」というような生易しいレベルではなく、「何千人〜何万人に1人」とかそういうレベルの話です。


 


よく、「1部の人しかなれない厳しい仕事なのはわかっていますが、目指したいんです!!」と言っている人がいますが、たいていそういう人はわかってません。


本当にわかっていて、その「1部の人」に自分がなれると思っている人は、中高生くらいから、すでに何らかの才能を発揮して、実際に活動をしてるもんなんですよ。


漫画やイラストや絵画なら受賞しているとか、すでにデビューしているとか、デビュー予備軍で担当がついてるとか。


最低でも、それくらいのレベルにいなければ、「そういう業界で一部の人になる」というのがどういうことかはまずわからないと思います。


 


そういう活動もしていない、実績もない人が「わかっています!!」とアピールしている場合、「自分が何をわかっていないのかすら、わかっていません!!」と言っているようなもんです。


 


近所の山すら登ったこともないのに「今からエベレストに登ります!厳しいのはわかっていますが、やる気はあります!頑張れば登れるはずです!!」と宣言しても、とうてい信用できないですよね。


近所の山にすら登ったことがない、登山経験がない人が登山の厳しさ・・・まして命に係るエベレストの厳しさの、何をわかっているというのでしょうか。


そしてやる気がある、頑張る、というなら、なぜ近所の山くらいに登っておかなかったのでしょうか。そんなに難しいことじゃないですよね?ちょっと調べて、ちょっと道具を揃えたら、できるはずのことです。


それすら自力でできなかった、あるいはやろうとしなかった人間が、「やる気はあります!!」と言って、誰が信じるでしょうか。
そして、こんな人がいきなりエベレストに挑戦したら、どうなってしまうでしょうか。


 


わかっていないならわかっていないでいいのです。
中高生くらいなら、わかっていないことがたくさんあるのは当たり前です。
怖いのは、わかっていないものをわかった気になっていることです。


 


自分がわかっていないと自覚できる人間は、自分の無知を知ったうえであれこれ準備したり努力することができます。
いきなりエベレストを目指すのではなく、まず近所の山に登る努力をするでしょうし、自分がひょっとしたらエベレストに到達できるような人間ではないかもしれないことも、うかつに挑戦すると命を落としてしまうことも、わかるでしょう。
自分の無知すら知らない人間は、そういう判断すらできません。


漫画を一作も描いたことがないような論外レベルの子が「厳しいのはわかっています!!」とドヤ顔で宣言しながら、漫画専門学校に入学して、数百万と自分の進路をドブに捨てる結果になったりするのは、そのせいです。
本当に厳しいのをわかっている人なら、専門に入学するような年齢で漫画を一作もかけなかった時点で、自分はその厳しい世界で生きていけるだけの才能も根性もないことはわかります。
才能も根性もないならないなりに、保険をかけながら目指すとか、諦めて別の道に行くとか、そういう判断ができるのです。


 


こういった仕事を本気で目指すなら、口先で何を言っても意味がないです。とにかく「実績」です。


「本気です」とか「努力します」とか口でいちいち言わなくていいので、自分が実際に何をしているのか、どういう結果を出しているのか、それはプロの世界で通用する結果なのか、常に意識しておきましょう。


また、才能においても努力においても実績においても、「人並み」「普通」レベルではまったくダメなことを理解しておきましょう。


「数千〜数万人に一人になる」つもりなら、少なくとも何百人しかいない学校などでは、ダントツで一位でなければならないはずです。
あなたは今いる学校の中で、間違いなく一番絵が上手ですか?一番誰よりも努力していますか?何らかの社会的な評価を得ていますか?




もし、そうでないなら、そうなれるように必死で努力してください。
そして、「友達にほめられた」「親に上手って言われた」というレベルのところからさっさと抜け出して、プロの世界にアプローチして、プロの世界で評価を得るようにしてください。


まだ中学生だから、高校生だから、という甘えは捨ててください。
中学生でも高校生でもプロになる人はいます。「そういう人は特別な人だから自分とは違う」と思わないでください。
そういう特別な人しか生きていけない業界なんです。あなたが特別な人でないなら、最初から諦めてください。
中途半端な気持ちでエベレストに向かっても死ぬだけです。


 


あと・・・・こういう仕事を目指すにあたって、もう一つ非常に重要なことは、「実家が経済的に支援してくれる」「万一ダメだったときに実家のバックアップがある」ということです。実は。


たまに、母子家庭だったり実家が生活保護を受けてたりする人が、こういう道を志そうとしているのを見ます。なかには奨学金(借金)を受けてまで、イラストだか漫画だかの専門学校に行こうとしていたりする人がいます。


こういう道は、実力次第才能次第であるのは間違いないとはいえ、上記のように「ほとんどの人が食っていけない、食っていけるようになるような人でも、数年単位で食っていけない期間ができる」ような仕事です。


その「食っていけない」のをどうやって克服するかというと、ほとんどの場合実家の支援に頼るしかありません。


もちろん中には、複数バイトをこなしたりして、なんとか自力で生活しながらのしあがる人もいなくはないと思いますが、ただでさえ難易度がバカ高いこういった道で、さらに難易度がハネ上がるという恐ろしいことになります。


家が貧乏だから夢を諦めろとは言い難いのですが、よっぽどの才能を発揮していて、「これは数千人に1人くらいには確実になれる」という確信がある程度ない場合には、少なくとも借金してまで美術系の進路一本に絞るのはおすすめしません。


よっぽどの才能を発揮している人は、美大や芸大にトップの成績でパスできると思います。学費は無料になります(施設使用費とかは払わされるので、完全無料になるわけではないです)。せめてそれを目指してください。


2012.01.29

絵を「描く」お仕事あれこれ(画家)

●画家…言うまでもなく、絵を描いて売って生活する人です。


自営業であり、学歴は関係ない・・・と言いたいところですが、実際画家として活躍している人のほとんどは、有名美大・・・もっと言うなら、東京藝大出身です。


なので、東京藝大を目指すのが画家になる一番の近道と言えるでしょう。東京藝大は東大よりはるかに難しいとされ、現役合格できるようなのは、本当に日本全体のトップレベルの画力の持ち主だと思いますが、画家として食べていけるのは、東京藝大卒業生の数よりぐっと少ないはずですので、それくらいは突破しなければ、どのみち画家になれる可能性は非常に低いってことでいいと思います。


実際、日曜美術館などで、「画家」として少なくともテレビでとりあげられる人の経歴などを見ると、たいてい小学生くらいから大人顔負けの絵を描き、中学生くらいではそこらの美大生と変わらないレベルの絵を描いています。ピカソなんか14歳くらいでプロ画家レベルの絵を描いていますから・・・。まあ、そういう人しかやっぱりなれないものなんでしょうね。「特別な人しかなれない」と繰り返し言ってますけど、まさに特殊中の特殊な人だけがなれるシロモノだと思います。


私の周囲に画家で生計をたてている人はおらず、詳細はまったく不明なのですが、基本はコンクールや公募展などに応募し、有名な展覧会(日展とか院展とか)で受賞をし、名をあげ、画歴を積んでてゆく…というのが、一般的な道らしいです。


そしてとにかく有名になり、美術団体などに属して横のつながりもつくり、自分の価値・・・ひいては自分の絵の価値をあげてゆく、という、なんだかもう獣道みたいな厳しい道筋をたどらなければならないようです。


画力は当然大事ですが、コネが非常にモノ言う世界でもあるようです。確かに絵が上手かどうかより、有名な先生に師事したかどうかの方が重要であるとかいう話も聞いたことがあります。


あと、日本は美術にお金を投資するという考え方があまりないので、海外の方が成功しやすいという話も聞いたことがあります。


こちらも、基本的にこれ専業で食べていけるような人は非常に少なく、また食べていけるようになるにしても、そこまでがかなり長いと思われます。


なので、副業として何らかの仕事をするか(美術教師とか、卒業した美大で助手やってるとかそういう人が多いですよね)、実家に食べさせてもらうか、ってことになるでしょうね。


 


検索してたら、こんなものも見つけました。


http://trendnews.yahoo.co.jp/archives/067831/


学校の宣伝ですが、絵を教える学校ではなく「絵を売り込む」方法を教える学校のようです。


 


私も一応美術系の大学にいましたけど、本気で画家目指してる人は周囲にはいなかったですね。まあデザイン学科だったのもありますが・・・。たまにそこそこ有名なアーティストが来て、講演してくれたりしましたが、だいたいですね、共通してるのは「金持ちの坊ちゃん嬢ちゃん」ってことですよ(苦笑)。あと、親戚や家族内に有名な芸術家がいる人も多いです。


漫画家やイラストレーターも大概ですが、画家は食べていけるようになる難易度が非常に高いですね。想像つかないです、すみません。


 


 


Posted at 19:23 | 画家 | TB(0) |
2012.01.28

絵を「描く」お仕事あれこれ(イラストレーター)

●イラストレーター…イラストを売って生活する人。まんまですね。


私はイラストレーター業界については基本門外漢です。
「基本」という言葉をつけたのは、一応デザイナー時代に兼業でイラストレーターを名乗っていた(というか会社に名乗らされた)時期があったのと、今の事務員になってからもSNS経由などでイラストの仕事をちょこちょこしたことがあるからです。
しかし、がっつりイラスト専業で生活したこともなければ、しようと思ったこともない(一応少しはあるのですが、ちょっと調べてすぐ諦めました)ので、「基本門外漢」ということで・・・。


家庭の事情により退職し、フリーランスのイラストレーターになりました。
とはいえ、大黒柱は配偶者で、私はあくまで補助程度の収入です。それも家庭事情によりガッツリ仕事を入れられないので、今のとこパートよりマシ程度です。
せっかくなので、そのへんの体験談などは別途カテゴリつくってお知らせすることにします。残念ながら今の段階では、この記事にある以上の役立ち情報はありません。


さて、イラストレーターといってもいろいろな媒体、タッチがありますが、このサイトを見ている人のほとんどはコミックテイストのイラストを描く方だと思います。
ですので、ここではコミックテイストのイラストを想定して話をします。



イラストレーターについては、大きく二つの就業形態があります。



1.会社員として勤める
2.自営業


ただ、大きな問題がありまして・・・。



1.会社員として勤める→イラストレーター専業の就職なんてほとんどない


2.自営業→いきなり自営業にして食べていけるイラストレーターなんてほとんどいない


つまり、「どっちも無理じゃん!」という現実があるのです。


 


えええ、じゃあ普段私たちが見ているイラストレーターさん達はいったいどうしてるの!!??


という疑問が湧いてくるかと思います。もちろん人によっていろいろですが・・・。



1.他の職業と兼業している


これが一番多いと思います。
絵に関係した仕事を本職にしている人もいれば、そうでない人もいます。下で詳しく説明しています。
あと若い子だとフリーターをしながらというのも多いと思いますが、まあ博打ですね・・・。そのまんま、ただのフリーターで、気づけば三十路って可能性もありますから・・・。



2.ゲーム会社のグラフィッカーになる


会社によって、「2Dデザイナー」「イラストレーター」「アートデザイナー」など名称が違います。
多くの子が「コミック系イラストレーターとして就職したい」と思う場合、コレしかないと思います。
しかし、最初に「ほとんどない」と書いたとおり、非常に狭き門だと思っておいてください。学校出れば就職できる〜なんて思っていたらオオハズレです。
専門学校でダントツトップくらい上手な子で、なんとかなるかどうか??くらいだと思います。たいして上手でもないのに、ゲームやイラストの専門行ったって、まず無理ですよ。

今はSNSゲームなどの流行で一時的に増えていますけれどね。なお、地方だとほとんどないと思います。東京に集中しているんじゃないかな。



3.自分の稼ぎだけで生活していない


こういう人も多いですね。若い人なら実家住まいが多いし、あとイラストレーターには女性が多いんですが、理由としては単純で「旦那さんが生活費稼いでくれるから」というのがあります。今の私もそんな感じです。
ただ結局職業人としては自立できていないということなので、若い人がいきなり目指すものではないですね。




4.上記1〜3などの過程を経て、十分に稼げるようになってから独立(自営業)する


今、独立してやっている人の多くがコレですね。広告会社やゲーム会社、アニメーターなどを経て、十分実績やノウハウ、人脈を築いてから独立するというものです。もちろん全然関係ない仕事をやりながら、イラストはイラストでフリーランスでやり続けて、イラストで独立する人もいます。


 


ということは・・・、上記のうち自立できていない3を除けば
「非常に狭き門」を目指してグラフィッカーとして就職するか、他の職業に就職するか、まずどちらかしかない

ってことになります。
(もちろん、学生時代からフリーランスとして相当に売れ、卒業時にはほぼ一本で食べていけるほど有名になれば別ですが、そういう人は多くはいません)


イラストレーターになりたい人は、高校のうちから、どちらを目指すのかよく考えておいた方がいいと思います。


というのは、どちらを目指すかによって進路が変わってきますので。




■グラフィッカー(会社員イラストレーター)になりたい場合の進路


美術系の進路を選ぶのが普通ですが、経済的に厳しい等の場合、普通の大学からなどでも目指すことはできると思います。
下手に高額な三流美大とか、役に立たない専門学校などに奨学金で入るくらいなら、普通大学の方がずっとマシということもあります。
この場合の進路については、こちらの記事に書いています。



■他の職業と兼業する場合の進路


その職業にあった進路を目指すことになると思います。

できれば少しでも絵に関連した仕事をと考え、デザイナーなどを目指す人もいると思いますが、コミック系のイラストレーターの場合、普通のデザイン会社や広告会社での兼業は難しいと思います。

仕事上でコミック系イラストってそれほど描くこともないだろうし、クリエイティブ系の仕事は、たいてい深夜残業が当たり前など超激務なので、会社終わってからイラスト活動もほとんどできない可能性がありますので、そこはよくお考えください。

コミック系イラストレーターの場合はアニメーターや漫画家などとの兼業も多いですね。
でも、こういう人の場合、まずアニメーターや漫画家の方が本業で、副業としてイラストの仕事をしている人がほとんどです。
アニメーターはアニメーターで生活できない給料だし、漫画家はこのサイトに書いてるとおり、やっぱり大変な仕事です。なので、「イラストレーターでは生活できないから」という理由でこのあたりと兼業するのを目指すのは、あまり現実的じゃないかも。

あと、漫画が上手な人なら、二次創作の同人などを売って、生活費にあてる場合もあるようです。これは売れる同人誌が描ける人ならありでしょうが、生活費にできるほど売れる同人誌というのも、簡単に描けるようにはならないと思うので、こちらも最初から目指すようなものではないと思います・・・。腕に自信ありなら、これでいけるかもしれませんけどね。

だから、本当は一番いいのは「安定していて堅実で、拘束時間が少ない仕事」なんですよね。事務職とか。
そういう仕事につきたいなら、地道に高偏差値の国立大学でも目指すのが一番良いと思います。
イラストレーターになりたいって子は、なかなか「イラストレーターじゃ食べていけないから、まずは事務職を目指して、高偏差値の大学をめざします」とはならないんですけどね…。夢がないし、大学では絵の勉強したいから。

でも、長い目で見たときに、こういう道の方が長く堅実に絵を描き続けられるということもあるので、検討してみてください。


※2016/8月 具体的な進路について、この記事にまとめました。
上記とほぼ重複する内容ではありますが・・。

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