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2015.09.06

Pixivの評価を上げるには?

2016/9月

某質問サイトを見ていると、「一生懸命描いて、自分ではなかなかよく描けたと思うのに、思ったように評価がもらえない」
「自分より明らかに下手な人より評価がもらえない」といったことで真剣に悩んでいる方をお見かけします。

お気持ち、とてもわかります。私も同じように思うことはしょっちゅうです。

私もまだまだですが、自分なりにPixivの傾向などを見ていて、思ったことを書いてみます。
もちろん、自分自身の経験も入っています。

こんな記事を作るくらいなので、おまえはどんだけ高評価なんだと思われそうですが、オリジナルイラストだと、だいたいオリジナルランキング20~50位、ブクマは1000超えることもありますが、多くはないですね。
フォロワーは万単位でいますが、それは二次創作の漫画などを描いていたせいです。二次創作だと評価は桁違いに上がります・・・。

なので、私もまだまだ修行中です。
いっしょにがんばりましょう!


1.最初に

最初に頭に入れておいてほしいことです。

◆「Pixivで高評価=良い絵・上手な絵」ではない

Pixivで高評価のつきやすい絵というのは、ある程度の傾向があります。
かつPixiv以外での宣伝力やネームバリュー、ランキングシステムなどにも大きく左右されます。
なので、Pixivで評価されないからといって、落ち込むことはありません。
私が好きなイラストレーターさんで、大きな仕事をこなし、ちゃんとした出版社から画集が出ているような人がいるのですが、その人の評価も決して高い方ではないです。

ここでは、その前提のうえで、あくまで「Pixivで評価を得やすい」という視点で書きます。
ここに記載している条件の絵が、「良い絵」というわけではないので、ご注意ください。


◆もともと、簡単に高評価がもらえる場所ではない。

まず、重要なこととして、Pixivには、プロやセミプロも多数参加しています。
ガチプロですら、それほどの評価をもらっていないことも多いのです。
素人がちょっと頑張った程度では、ほとんど評価はもらえないと思っていいでしょう。


◆たいていの人は「うぬぼれている」

絵を描く人間の多くが、「自分の絵を過大評価、他人の絵を過小評価」する傾向があります。
なので、「私も同じくらい上手なはずなのに、なんでこの人の方が評価もらえているの?」という場合、他人から見ると、「その人の方がはるかに上手である」ということも多いです。


ただ、この「うぬぼれ」は実は大事です。最初から冷静に客観的に、自分の絵の下手さを自覚できるとしたら、「そもそも絵を描かなくなってしまう」可能性が高いからです。
絵を描き続けられる程度にうぬぼれられることは、恥じることではありません。
ただ、そのうぬぼれだけが強すぎると上達できませんので、うぬぼれて描き、描いたあとで反省し、を繰返すのが理想だと思います。


というわけで、「もともと自分は高評価をもらえないのが当然のレベルだ」という自覚を持つのが重要です。
(まあ、中には例外もいますけどね。ガチプロで知名度もありPixiv受けする絵柄なのに、本当に評価もらってない人もいて、謎です・・・)


それを踏まえて、それでも少しでも評価を伸ばすためにできることを書いてみます。
※ここではあくまで「Pixivの評価を伸ばす」ことを目的にしています。


◆絵の情報量を増やす

Pixivの傾向として、「情報量の多い絵」が評価を得られやすいです。
「複雑で書き込みが多く、色数が多い絵」ですね。
もちろん、シンプルな絵で好評価を得られる人もいますが、高い描写力やセンスが必要なので、上級者向けです。
ランキングに入らないレベルの人は、いきなりそこを狙うのはやめましょう。

では、どうしたら情報量が増えるのか。

○キャラ絵の場合は描く人数を増やす
多人数の絵はそれだけで目をひきます。

○背景を細かく描きこむ
評価がもらえない人にありがちなのは、「背景をほとんど描いてない」です。
模様だけでごまかしたり、適当に花散らすだけとかは、やめましょう。
そういう背景でも高評価を得られる人もいますが、相当のセンスや画力が必要なのでやっぱり上級者向けです。

○オーバーレイなどのレイヤー効果も使って色数を増やす
バケツツールでぺったり色塗って終わりはやめましょう。
デジタルではレイヤー効果という便利なものがあるので、オーバーレイやスクリーンなどを使って色彩豊かにしてみましょう。

○一枚の絵に最低10時間かける
逆に言えば「10時間以上かかりそうな絵」を描きましょう。
2~3時間で描いた絵で評価をもらえるのはこれまたやっぱり上級者だけです。


◆最低限のデッサン力を身に着ける

Pixivはデッサン力より、色彩や構図のセンスが評価に影響します。とはいえ、あまりにデッサン力がガタガタだと、当然評価は伸びません。
デッサン力については簡単に身につくものではないので、ここで細かい説明はできませんが、初心者の方はとりあえず「ヒトカク」で検索してみてください。
あとの上達方法はブログにいくつか説明していますので、どうぞ。


◆構図を煽りや俯瞰にしてみる

「評価が伸びない」と質問している人の大半が、「人物を一人、正面か斜め前からぽんと描いただけ」です。
もちろん、こういう構図で高評価を得られる人もいますが、やはり上級者向けです。
上級者でない人は、とりあえず、「煽りか俯瞰」の構図にしてみましょう。パースは嘘でいいので、かなり大げさにつけた方がいいです。
特に「煽り」は人目を引きやすいです。
実際にPixivでも煽り構図はかなり多いです。
さらに斜めにしてみる、あるいは魚眼レンズのような大げさなパースをつける、なども有効です。
「ぱっと見て迫力がある、目を引く」構図にするのです。


◆明暗差を強めにつける

影のくっきりした、明暗の強めの絵の方が評価される傾向があります。
多分サムネ段階で目につきやすい、印象に残りやすいからでしょう。
評価がのびないといっている場合、そもそもどこが光源かわからないほど、明暗が不明な絵が多いです。
光源をきちんときめ、明暗を強めにしてみましょう。
あるいは、明暗が強くつくような構図のイラストを考えてみましょう。


◆「見所」(ポイント)をつくる

その絵をぱっと見たとき、どこに目がいくでしょうか。
もし、「どこってことはない」場合、印象がぼんやりした絵になっている可能性があります。
どこか「ここを見てほしい」「ここがこの絵の主役」とはっきりわかる箇所を作りましょう。

キャラがいる場合はたいていキャラの顔だと思いますが、それ以外にも見所を一つ作りましょう。
たとえば、髪の毛がすごく丁寧にたくさん書き込まれてるとか、ドレスのフリルがすごく細かくてきれいだとか。
背景の空がすごくきれいだとか、森がとても丁寧に書き込まれているとか。
「この絵のここ、すごいなー」と思わせる「絵の見所」を作ると、その絵は印象に残りやすくなります。


◆季節感をつくる

当たり前ですが、夏には夏っぽい絵、春には春っぽい絵がウケやすいです。


◆ストーリー性をつくる

別に漫画にしろって意味ではないです。
その絵から何かストーリーが見える絵は、印象に残りやすく共感を得やすいです。

たとえば、ただ女の子と男の子がいるより、普通に歩いている男の子と、ラブレターを持って影に隠れている女の子の絵の方が、前後のストーリーを考えてわくわくします。
タイトルと関連付けるのもいい手です。有名な現代芸術ですが、ただの便器に「泉」とタイトルをつけただけで芸術になったようなものもあるくらいで。

女の子が眠っている猫を大事そうに抱いている絵があるとします。
「女の子と猫」ではそのまんまです。「ずっといっしょ」は仲良さが出てほほえましいですが、それでもちょっと普通です。
しかし「さようなら」となるとこの猫ちゃんは寿命がもうすぐなのか?それとも女の子が?と見る人がストーリーを想起します。
そのように、見る人が、「その絵の世界に入り込めるような仕掛け」を作ってみるのもいいでしょう。


◆時流に載せる

主には二次創作の場合になりますが、たとえばジブリの映画をテレビでやった直後にそのジブリアニメの二次創作を投稿すると、人気をとりやすくなります。
この場合、ツイッターで実況しながら見る人も多いので、ツイッターに載せるとなお良いでしょう。





3.ランキングにのる

一番評価に結びつく方法です。
0時~23:59までの評価、ブクマ、閲覧数などの評価の集計が翌日ランキングに反映されます。
しかしPixivの集計方法は謎です。私も知りません。企業秘密なのか、調べてもまずわからないです。
ブクマや評価数が、自分よりずっと低い人が、順位では自分よりずっと上にいたりします。
フォロワー数が多いほどマイナス計算されるという噂も聞いたことあります。(あくまで噂)
それでも、自分の経験などから、いくつかの傾向は読み取れます。(2016年夏の情報です)


◆投稿時間を考える。

集計期間が0時~23時59分なので、0時すぐに投稿した方が長い期間を集計期間にあてられます。
ただ、合計ではないので、単純に早く投稿すればするだけ良いというわけじゃないようです。
とはいえ、例えば23時59分に投稿してしまうと、さすがに集計期間がほとんどとれないので、ランキングに入るのは相当難しいでしょう。
それくらいなら、0時過ぎがムリでも、せめて翌朝くらいに投稿した方がランキングに入りやすくなります。


◆オリジナル作品を投稿する

Pixivではオリジナル作品は優遇されているようで、二次創作作品と同じ評価でも、高い順位にランキングされます。
また、総合デイリーランキングのあとにオリジナルランキングがあるのですが、こちらはかなり順位に入りやすいですので、
デイリーに入らないレベルでも、オリジナルランキングには入ることがあります。
ただ、残念なことにオリジナルランキングはチェックしている人が少ないのか、上位10位以内くらいに入らないと、あまり評価に関係しません。
また、オリジナルは二次創作より評価が得にくいので、そのあたりのバランスは自分で考えてみてください。


◆男性向け作品を投稿する

Pixivでは男性と女性で評価を分けて集計しているようですが、男性向けの方がかなり優遇されて上位にランキングされます。
これは、日々のデイリーランキングを見ていればわかると思います。上位のほとんどが美少女絵です。

たとえば本日のランキングでは、「女子に人気ランキング」第1位の絵は、「総合デイリーランキング」ではなんと第472位でした。ほぼランキングぎりぎり入るかどうか、の順位です。
一方「男子に人気ランキング」第1位の絵は「総合デイリーランキング」では第2位です。

見比べてみたらわかると思いますが、「男子に人気ランキング」と「総合デイリーランキング」では、
上位作品がほとんど重複しているのに対し、「女子に人気ランキング」の上位作品・・・特に腐向けなど、女性向け要素が強い作品は、「総合デイリーランキング」上位にはほとんど入りません。
そして言うまでもなく、評価への影響が大きいのは「総合デイリーランキング」です。ここに入るのが非常に重要なわけですが、
あからさまなまでに、「男性人気」が総合デイリーランキングに影響するのです。

私も、総合デイリーに入る絵は、ほとんど「男子に人気」ランキングでもそれなりの順位をとっています。
逆に「女子に人気」で10位内に入っても、「男子に人気」が200位以下だったりすると、デイリーでは400位くらいになったりしました。せめて中間とって100位くらいなんでは・・・?
と思った記憶があります。本当にどう集計しているのか不明です。

これは以前、Pixivでランキング上位のほとんどを腐向け作品が埋めてしまい、男性や腐向けが苦手な人がPixivから遠ざかってしまいかねなかったので、この仕様になったと記憶してます。
ランキングだけを意識して作品を投稿するなら、男性にウケるような作品を投稿するといいでしょう。


◆あまりに旬ジャンルはマイナス調整されることも

今もやっているかはわからないのですが、少なくとも私が知ってる範囲で、東方プロジェクトと黒子のバスケは、マイナス調整されていた時期があったと思います。
これは、あまりにも同じジャンルだけがずっとランキングを埋めないようにという配慮でしょうね。
ただ、最近では「おそ松さん」の作品がめちゃくちゃ多かったのですが、その作品のほとんどが女性向けだったため、「総合デイリー」上位にはほとんど入ることがありませんでした。
それくらいなら調整されないかもしれません。
ルーキーランキングでは、けっこう長い間、上位50作品くらい全部「おそ松さん」なんてこともありましたが・・・。(おそらくルーキーランキングは男女調整が入っていない)




4.見てもらいやすい作品

評価されるためには、まず作品を見てもらわないといけませんが、
Pixivでユーザーが作品を見る入り口というのは以下しかありません。
(ユーザー検索などでわざわざ探した場合を除き)

1.ホームでの新着作品
2.タグ
3.ランキング
4.フォロワー・マイピクへの新着通知
5.ブログやツイッターなど別媒体での宣伝



上記のうち1.はすべての作品に該当しますが、ほんの一瞬の話です。
その数秒の間に見てもらえなかった絵は、上記2~5に該当しない限り、もう誰にも見てもらえません。
しかし・・・
3.については「3.ランキングにのる」で書いたとおりですが。なかなか簡単ではない話です。
4.もフォロワーが多い人ならいいですが、多い人はこんな記事読んでないでしょう。
5.もできるだけやると良いと思いますが、ツイッターやブログのフォロワー数が多くない限り、効果は少ないでしょう。

つまり・・・・ランキングにも乗らず、フォロワーも少なく、SNSでのつながりも少ない人が攻略すべきは2.なのです。
どんなタグをつければ見てもらえるか、というのを考えることになります。
というよりは「見てもらえるタグをつけられる作品を描く」ことになります。

◆人気ジャンルの二次創作

言うまでもなく。
そのとき旬の二次創作であれば、クオリティが低くてもいつもより評価をもらえることが多いと思います。


◆漫画

絵が下手でも、漫画作品だと評価を得られやすくなります。
続きものだと、フォロワーも増えます。
ただ「漫画」というタグから見に来る人は少ないので、他のジャンルタグなどと合わせてつけることになるでしょう。


◆イベントタグ

オリジナル作品を描きたい、漫画ではなくイラストが良い・・・という人も多いと思います。
しかし、オリジナル作品の最大の問題は「そもそも見てもらえない」ことなんです。
どんなに素晴らしい作品も、見てもらえなければ評価されるわけがありません。

オリジナル作品で見てもらえるタグというのは、イベントタグくらいしかないんです。
「オリジナル」「女の子」なんてタグをつけたところで、そこから探して来てくれる人はいません。あまりに多すぎて、探索タグとしての役目はほとんど果たしていないからです。
Pixivでは、さまざまなイベントが行われています。イラコンなども(最近は少ないけど)あります。
どうせオリジナルを描くなら、そういったイベントタグをつけられるような作品にすると、見てもらいやすくなるでしょう。



5.フォロワーを増やす

4.で述べたようにフォロワーが増えると、評価をもらいやすくなります。
まず、フォロワーというのは当然あなたのファンなわけで、評価をくれやすい人です。
また、大きいのは、フォロワーには新作通知が行くということです。
そこから見てもらうことができます。

ただ、フォロワーが増えると、ランキングに載りにくくなるような気がします。
気のせいかもしれませんが・・・・。


◆連載漫画を描く
多分一番てっとり早いのはコレです。
私はけっしてフォロワーを増やす目的ではなく(笑)単に好きで二次創作で漫画を連載してましたら、かなりフォロワーが増えました。
続きが見たいものの場合、フォローしておくと通知がくるので、追うのがラクになるんですね。
Pixivのフォローってツイッターと比べてはずす人がかなり少ないです。
ただ、連載漫画で増えたフォロワーは、目当てがその漫画だけってことも多いので、他ジャンルのイラストなどには評価をくれないことも多いです(苦笑)。



まだまだ途中ですが、このへんで。
長いので、まとめなおすかもしれません。
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Posted at 17:53 | ■雑談 | TB(0) |
2015.07.17

新人賞座談会の炎上記事

ヤフーのトップ記事からめぐりめぐって、こんな騒動があったのを初めて知りました。

【星海社】新人賞座談会の批判と余波まとめ ぷちぇインクロニクル連載終了【ツイ4】
http://francepresent.com/twi4/

星海社「ツイ4新人賞座談会」炎上まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2143452693281306301

すみませんが、この漫画の連載終了については経緯もよくわからないので触れませんが、気になったのは新人賞座談会の件。

・・・え?そんな炎上するほどひどい?

というのが素直な感想。
まあ、ここの記事でまとめられている分しか見ていないので、全部見たらもっとひどいのかもしれませんが・・。

編集者の意見なんてこんなもんじゃないの?
「批評会」じゃなくて「座談会」でしょ?こんなもんこんなもん。
それに投稿者も、ツイッターであれこれ言われるのを承知で投稿してるんでしょ?

これをひどすぎるというのは、さすがに甘えでは・・・。

などと思っていたら、現役プロの漫画家さんからもぞくぞく、
「ダメだしだけをやって、改善策をあげないのは編集者じゃない」とか、
「これは批評じゃなくてただのDIS」とか。
「漫画を批評するだけじゃなく、一緒につくりあげるのが編集者の役目」などなど、
賛成意見が多数出ていまして。

え?なにそれ、そんな高望みを堂々と「当たり前」みたいにツイートしてるの、みなさん・・・。

私、いったい今までどんだけ編集者に恵まれてないんだ。

と、自分がちょっとかわいそうになりました(苦笑)。

そんな編集さん一人もあたってないよ!!
ここにも書いているとおり、私の担当さんの水準は「最低限必要な連絡をくれる」ですからね。

いやー・・・ちゃんと連絡をくれる編集さんがほとんどでしたが、それにしたって「改善案を出す」なんてことをしてくれた担当さんは、一人もいませんよ。
出したものへのダメ出しだけでした。
あ、いや。
正確には、また記事に書きますが、一人だけその場で即改善策を出してくれる編集さんに原稿を見てもらったことがあります。
残念ながら担当ではなかったですが。そのとき初めて「そういう編集さんって都市伝説じゃないんだ!」と思いました・・・。


やー、担当運ってやっぱり大切ですね。
担当さんのせいにしちゃいけないと思いつつ、やっぱり担当さん大事だなって思いました。

そんだけです・・・。


でも正直言うと、たとえ座談会の内容がこうだったとしても、これをそのまんまツイッターに載せたのは、会社としてリスク意識がないとは思いました。ここまでの炎上は予想外にしても、不快に思う人が出てくるのは少なからず予想できたはず。
そもそも、この座談会をツイッターにさらすことによって、いったいどこの誰が得するのかわからない

もし投稿者のレベルを上げる、増やすのが目的なら、多くの意見のようにもっと建設的な批評をするべきで、よってたかってダメだしして終わりでは、むしろ投稿者は減る。
読者を漫画選考に巻き込んで楽しませたいなら、もっと楽しめる内容にするべきで、ネガティブ内容だけでは、炎上は想定できなかったにしても、「読者が楽しめない」ことくらいは想定できたはず。もしこんなネガティヴ内容を、読者が一緒に楽しめると思っていたなら、正直性格悪いよそれは(苦笑)。

誰も楽しめないコンテンツを堂々とあげちゃうセンスの方が、編集者としてどうなの?と思いました。


ただ、この座談会の内容、実際編集者の意見てこんな感じなんですよ。持ち込みでも、これくらい言う人は普通にいますよ。
で、改善策や対案を出してくれる編集者が当たり前だとは思わないほうがいいですよ(泣)。
そんなことがスラっとできるような編集者はそうそういないです。
ひょっとしたら、私が極端にハズレをひいているだけかもしれませんが・・・。



おまけ(?)

こちらの記事の方が漫画家志望の人には勉強になるかも。

http://togetter.com/li/836136


ただ、私はこういう具体的な指導をする編集さんにあたったことはないですし、ここまでの作業的な修正指示を出すのは、微妙に編集さんの仕事から外れるような気もしています。
こういう指摘や指導をするのは、どちらかというと漫画家の人だと思います。この方も漫画家なのかな?

私がたまたまそういう編集さんに当たっただけかもしれませんが、私が担当してもらった人(数人ですけど)は、具体的な指導はなかったです。どちらかというと「編集は漫画制作段階には口を出さないほうがいい」と思っているフシがありました。

デビューまでお世話になった人は、かなりのベテランで当時編集長でしたが、「デビュー程度は自力でできないと意味がない」という考え方で、最低限のダメだしはしてくれましたが、本当にそれだけで、私が「こうしたらよいでしょうか」と自分で改善案を出しても「まあ、やってみればいいんじゃない?」とか「どうかなぁ~」みたいな感想だけでした。

他の担当の方も、全体的な路線とか、たとえば「もっと恋愛要素があった方がいい」とか「ここのキャラの気持ちの流れがわかりにくい」などの要望やダメだしはあっても、「じゃあどうすればいいか」ということについては、「それは漫画家の仕事であって、編集の仕事ではない」という立ち居地でした。(最初の担当さんはきっぱりそう言い切りました。ま、この人はいろいろアレな人ではありましたが)

そこについては、編集者にそういう指導をするだけの能力がない、というケースももちろんあるとは思うのですが、それだけではなく、「編集者がそういうところにまで口を出してしまったら、漫画家の個性や成長をつぶす」という考え方が少なからずあったと思います。そういう意味では、確かに「そこは編集者の仕事ではない」のでしょう。

私もごくたまに時間のあるとき、質問サイトでネームの赤入れなどを(もちろん相手が望んでいるときだけ)やってみたりしますが、正直、「こんなことは他人がしないほうが良いのでは」と思うこともあります。

私が赤入れするのは、本当に最低限、「これだけはこなさないと、そもそもネームの意味がとおらない」レベルくらいのことなのですが、それくらいのことであっても、他人が絵として見せてしまったら、相手は「こういうのが正解なんだ」と思ってしまう。
そうなると、ひょっとしたら相手が自分で考えたら出てきたかもしれない、私では思いもつかないような、もっと良い修正の可能性がなくなってしまうかもしれない・・・・などと思うのです。

編集者の人も、特に理屈で考えたらわかる程度のことであっても、具体的修正を入れない人が多いのは、やっぱり編集者という立場を考えたときに、「創作する人間」を少しでも枠にはめてしまいそうな行為が怖いのではないか、と思うんですよね。
立場が全然違うだけに、相手の可能性を無限大に評価する。漫画家をリスペクトしているからこそ、細かい口出しはしない、できないということもあると思います。たとえ相手が新人でも。人によっては新人ならなおさらかもしれません。

逆に漫画家の先生などは、自分が漫画家なので、自分が体得してきた技術は惜しみなく後輩に伝えたい。特に成功している先生などはなおさら、成功体験を後輩に教えてあげたいと思うのでしょう。だから、割と細かいところも指摘・指導してくれたりします。

別にこの座談会の編集者を擁護するつもりではないですが、「創作はあくまで漫画家の仕事」という割り切りをしている編集者はけっこう多いのではと思いました。






Posted at 02:40 | ■雑談 | TB(0) |
2015.06.23

賢者は愚者からも

ひさびさの更新がどうでもいい雑談ですみません。

ここを見てくださってる方のうち、某質問掲示板からきてくれた人も多いと思いますが、私はけっこうそこで質問に答えています。

というか、もともとこのブログ自体、似たような質問に何度も同じ長文回答をするのもどうかという理由で、掲示板からとばすために作ったものです。

その掲示板で、ひさびさにちょっとパンチのある人に出会いました。

作品を批評してほしいということで、その人が本気でプロを目指していること、漫画家志望としてはかなり高齢なこと、失礼ながら作品のレベルが相当に低かったことから、割と厳しめに答えたところ、なぜか一度ベストアンサーに選んで御礼をいってくれたあとに、別の質問で、「本当に漫画家かどうかもわからない、デビューしたとか全部妄想かもしれない、どうせ絵なんか描けない嘘つきのくせに、よくも私の作品をあんなにこきおろしてくれたな」的なバッシングを受けました。まあ、そう思う人もいるでしょうから、それ自体は別にいいのですが。

このことからすこし考えることがありました。

この方の意見の前半は、私は正しいと思っています。
私はここにデビューしたことがあるだの何だの書いていますが、身バレしたくないので、個人特定できる情報は一切載せていません。載せる気もありません。

ですので、私がここに書いていることはすべて嘘八百という可能性もあります。多少でも漫画業界に足つっこんだことがある人になら、少なくともすべて妄想ではないということくらいは、わかってもらえると信じて書いていますけれど、確証なんてどこにもないのです。
ま、身元が確実な人からだけ意見が欲しいなら、匿名掲示板を使うべきではないとは思いますけれど。

「ネットの情報を鵜呑みにしない」ことは、ネットを使ううえで重要なことだと思います。
そこまではいいのですが。

ところで、なんか手前味噌みたいですみませんけど、このブログを好意的に紹介してくれている人のほとんどは、実際にデビューしていたり、ベテラン作家さんだったりします。

アクセス数がはねがるので、そういうことがあればすぐにわかるんですよね。(逆に言えば、アクセス数が動かないくらいようなところで好意的じゃない紹介をされている可能性はありますが、まあ、そういう人は漫画家さんなど知名度のある人ではないのでしょう・・・)

それはそれで、非常に恐縮し、嬉しく思うとともに、少し恥ずかしいです。漫画家になれてもいない人間が偉そうに漫画家について語ってるさまを、人気連載をこなしてアニメ化もしているような先生に読まれるわけですからね。

こういう先生たちこそ、「ろくに絵も描けない人間が偉そうに!」と言っていい立場なわけですが、逆にこういう人たちの方が、こんなブログからもいろいろな情報などを拾い上げて感心してくださっていたりする。

「賢者は愚者からも学ぶ」という言葉をしみじみ思い出しました。

誰かから情報を聞くとき、ものを教わるとき、「相手がどういう経験をつんだどういう立場の人か」というのは気になるところだと思います。それによって情報をどうとらえていいかが変わってきますから。

ただ、「相手の立場によっては、意見もアドバイスも一切聞く耳もたない」というのは賢い姿勢ではないと思います。

昔、志望者同士ネットで集っていたときにも、そういう人いたんですけど・・・。相手が自分より上なのか下なのか?志望者なら受賞は?担当は?というようなことを、事細かに聞き出し、「相手のレベル認定」を必死に行ってからでないと、人の意見をきかないような志望者は、たまにいました。

たいていそういう志望者は、基本的に人の意見をきかず、きいても都合のいい意見しかきかず、やたらと人の「レベル認定」にばかりこだわっており、人の作品(プロ作品も含め)の批判だけが得意でした。

作品も作れていないか、作っていても独りよがりで意味不明。当然受賞とかそういうレベルには至っていませんでした。そして、じきに誰にも相手にされなくなってコミュニティから消えました。

相手の身分がわからないと情報精査できないような場合は別なのですが、(そういう情報は確実なところで調べましょう)そうでないならば、鵜呑みにしろとは言いませんが、せめて自分の頭でちゃんと考えて、参考になるところがあれば、ちゃんと吸収したほうが、結局自分のためだと思います。

名選手名監督ならずという言葉もあり、教えるのだけが上手な人もいますからね。なので、私は専門学校否定派ですが、「専門で講師やっているような人は、どうせ売れない漫画家なんだから、そんな人に教えてもらってもしょうがない」という意見には賛同できません。

あと、もっと基本的なこととして、「漫画家は、完全素人の読者によって評価される職業である」というのもあります。

つまり、「漫画のプロでもないくせに、自分の作品に悪い評価をするな!」という主張がある人は、そもそも漫画家に向いていません。

いや・・・プロでもいるんですよ、こういう人は。「最近の読者は馬鹿だから良い作品がわからない」「ド素人の読者なんかに何がわかる」みたいなコト言っちゃう人は。

そうなったら終わりだと思っていいですよ。

自分の作品が評価されないのを、誰かのせいにすること自体みっともないし、それでは成長できないとは思いますが、「読者のせい」にするのは、もう最悪というか、自らの存在価値を自分で叩き割っているようなものです。

そういう人は、誰にも見せずに蔵の中にでも大事にしまっておくか、自分の信者にだけこっそり見せて自己満足にひたっていると良いと思います。

これは私自身も気をつけたいところです。ちなみに「愚者は賢者からも学ばない」という言葉が、上記の言葉に続きます。

人生すべてこれ勉強ですね。
人の振り見て我が振りなおせ、って感じですよ、本当・・・。


2015/6/23
Posted at 00:30 | ■雑談 | TB(0) |
2013.03.04

俳句とネーム構成 

いきなり、何かってタイトルですけれど、今たまたまこの番組を見たので。


プレバト天才!?凡人!?ランキング


浜田雅功さんが司会をやっている番組で、たまーに見るんですけれども、けっこう漫画の参考にもなるなーと思ったので、忘れないうちに書いておきます。


芸能人の方に、盛り付けや俳句などいろいろやってもらい、その道のプロに添削してランキングをつけるという番組です。


特に参考になると思うのは「俳句」。


俳句と漫画ではだいぶん違うように思うかもしれませんが、五七五という非常に限られた文字数で一つの世界を表現しなければならない俳句は、投稿漫画のネーム構成において、「限られたページ数の中に、いかに必要なエピソードだけを盛り込み、また構成して、漫画を作り上げるか」という作業と、割とかぶるところがあります。


この先生の授業を見ていると、だいたい添削のポイントも見えてきます。


●不要な言葉を洗い出す


…重複表現やいらない説明など 「照らす月」→月が照らすのは当たり前なので「照らす」はいらない。


…短い言葉で置き換えられるもの 「古い塔」→「古塔」


●足らない言葉を探す


…「場所」「映像」「動き」など、表現したいことをあらわすのに十分な言葉が揃っているのか確認する


この二つをそれぞれ探し出したら、不要な言葉を削除した分を、必要な表現を補うのに使えないか推敲する。


まとまっていても単調と感じたら、言葉に方向性を持たせたり、動きを持たせたりして、世界を広げてみる。


情景が浮かびにくい場合、場所がわかる言葉や、映像化しやすい言葉を補う。


そのうえで、より美しい言葉、より印象的な語感になるよう、さらに推敲を重ね、1文字たりとも重複やムダがないように、構成してゆく。


 


これは読み切りのネームでも同じことが求められます。新人だとたいてい、ページ数は足らなくなると思います。もちろんどうしたって足らないような壮大な話を描こうとしているケースも多いのですが、エピソード取捨選択と構成の問題であることも多いです。


そのときに、役割が重複しているエピソードはないか、もっと短いエピソードに置き換えられないか、また必要なエピソードであっても、もっと役割を兼任させられないか、もっと魅力的なエピソードはないか。


さらに、物語が単調だったり、いまいち面白みに描けるなら、印象的なエピソードが少ないんじゃないか、意外性のあるエピソードがないんじゃないか、などなど。


やる作業は似ていると思いました。


 


この俳句の先生は考え方がロジカルで、感覚的ではなく、ちゃんとした理屈で説明してくれます。そして、とても良いというか、さすがというところは、その場で、ちゃんと理由をわかりやすく述べたうえで、ではどうすればいいのか、修正してくれるんですよ。それも説明どおりの納得いく結果になるように。


担当さんでも、ネームにダメだしはしてくれるけど、その場で有効な代替案をすぐに出してくれるような人、なかなかいませんよ(苦笑)。


そのおかげで、先生が説明したことが「こういうことか」とすぐにわかるようになっています。


他の料理盛りつけや絵手紙など、それぞれプロの着眼点がわかっておもしろいです。


料理盛りつけの「とにかく主役を目立たせる。ムダな飾り付けをしない」などは、エピソードの取捨選択の参考にもなりますし、絵手紙で、絵の上手ヘタより、勢いや大きさが重視されている点なども、まさに新人漫画と同じです。ちょこちょこ上手でまとまってるだけの作品より、多少ヘタでも勢いにあふれた作品の方が評価されたりします。


プロの視点と素人の視点の差など、参考になるところは多いと思います。


 


 


 


Posted at 20:24 | ■雑談 | TB(0) |
2012.03.16

バクマンの感想

漫画家志望なら気になる作品だと思います。


 


こういう漫画家志望者を主人公にした長編を読むのは子供のころ「まんが道」を読んで以来ですね。
「まんが道」もとても面白いのですが、なにせ時代背景が違いすぎます。藤子不二雄(まだ分かれる前)先生の自叙伝ですからね。なんだかんだで50年以上昔の話になるかと・・・。
もちろん志望者にとって普遍的なことがらも多く描かれていますし、何より面白いのでおすすめですが。


さてバクマンです。
※私はアニメしか見ていませんので、2013/2月時点まで放映された内容のみで話をしています。


ネタバレ的な内容も多少含まれるかもしれませんので、今から読んでみようと思う方はご注意ください。


 


 


読めばすぐわかることですがモデルになってるのは掲載誌である少年ジャンプ、集英社ですね。
昔、ジャンプで担当がついている人と話をしたことがありますが、あそこはとにかく新人をアシスタントとして連載作家の下に入れてしまうシステムのようです。今でもそうなのか不明ですが、実際活躍している先生の経歴などを見ると、ほぼ連載陣のアシスタント経験があるので、多分今も変わらないのでしょう。


アニメのみしか見ていませんが、今のところ割りと現実的な設定・展開だと思います。どこまでノンフィクションなのかわからないですが、私が経験している限りでも(私は集英社ではないです)似たようなものです。
実際、担当がついたりデビューしているレベルの志望者・新人なら、「まあ漫画だし」とは思いつつも、「こんなん現実にあるかボケ」と笑い飛ばすほどのレベルでもないと思います。



なので、漫画家目指してみたいけど、漫画業界まったくわからない……という人が参考にしても、まあいいんじゃないかなと思います。ただまあジャンプはいろいろ特殊でもあるので、どこでもああだとは思わない方がいいと思います。


で、もちろん漫画なので、多分にご都合主義だったり美化されている部分はあります。
私は集英社のお世話になったこともなければ、少年漫画誌を体験したこともないので、そもそも現実どうなのかよく知らないのですが・・・。


 


物語としては中学生コンビが初投稿からとんとん拍子に成長してうまくゆく、という漫画らしいサクセスストーリーになっています。
しかし、漫画ながら一応抑えているなというのは、主人公の二人が決して凡才ではないこと。


絵を担当する主人公、真城君はまず、仲の良かった叔父がアニメ化もされた連載漫画家だったというバックグラウンドがあります。
さらには、小学生から抜群に絵が上手で、大臣の名前入りの表彰状をもらうほど。
漫画絵にこそ慣れていないものの、もともと相当の画力の持ち主という設定です。


いざ漫画を描くと決めたらすぐに、中学生にして自分の絵の欠点を見抜き漫画に合わせて調整のうえ、完成原稿を仕上げる分析力・実行力。入院・手術が必要になってもペンを離さない根性。
天才とまでいかなくとも、漫画家に必要なすべての資質において非凡なのは間違いありません。


 


話を担当する相棒、高木君も漫画に専念していてもトップクラスを保つほどの頭脳の持ち主(勉強で彼に勝てなかった少女は後に東大に入学しています)、小説を書けば高校生ながら採用されるほど物語を作る能力にも長けている。こちらも相当に能力に恵まれた人物です。


私もブログに「一部の特殊な人しかなれない」としているように、彼らもまた普通の人ではなく、「特殊な人」と言えるでしょう


主人公となる漫画家をコンビにした主な理由は、漫画という、作業が地味で絵やエピソードにしづらいジャンルのため、人間関係をメインに据えてドラマをつくれる設定にしないとどうしようもない、というあたりから、主人公と蜜な関係で、切磋琢磨しあって成長できるような人間を置いたものと思います。


が、中学生からいきなり目指してどんどん成功してゆくという展開にあたり、一人の人間にそこまで才能と運がある、というのも説得力に欠けますし、そこまで「特殊な人」にしてしまうと、読者の感覚からかなりかけ離れてしまい、主人公に感情移入できなくなります。


しかし「絵が超絶上手で根性がある」「頭がよくて話なら考えられる」くらいなら、ぎりぎり現実味のある設定でしょう。
そういう意味でも、コンビ設定は良いと思います。


 


なお、主人公たちのライバルとして、「漫画の申し子のような天才肌」と、「いきなり目指し出して成功してしまう異色の天才」が出てきます。
読者からちょっとかけ離れた「特殊すぎる人」はこのようにライバルや友人に置くのが妥当だと思います。


 


読者がぎりぎり感情移入できるレベルで、かつ成功してもご都合主義にならない程度の才能と運の持ち主が、「友情」と「努力」によって「勝利」を手にしてゆくというジャンプの王道を行く構成になっています。


個人的には、もう少し二人の個性を出して、二人の関係に関するドラマも扱ったほうが、せっかくコンビ設定ですし、面白くなるような気もするのですが、今のところ順位を競う「バトル」の方に重点がおかれており、コンビ間についてはあまり描写がないという印象です。ま、今後どうなるのかわからないですけど。



感想はだいたいざっと以下のとおり!


 


●編集部及び編集部員の質が妙に高い。


いや、本当に集英社はあんな感じなのかもしれませんが・・・。


でも、編集部が全部あんな感じで、ああいう熱心で新人の人生まで考えてくれる編集部員が当たり前とは思わない方がいいです(笑)。
あれは原作者の「編集にはかくあってほしい」という理想が具現化したような・・・(笑)。


新人に絶対に必要な運としては「担当運」があります。
作中で真城くんが「アタリハズレがある」ときっぱり言っているとおりです。
正直、最初についてもらう担当さんによって、その漫画家の運命はかなり変わると思います。


服部さんみたいな担当さんに最初についてもらえたらいいですよねえ。
まあ良い担当さんを引き寄せるのも新人の実力のうちということで。


担当さんの好みによって作風が左右されたり、作家が気をもむ様子なんかはリアルでしたね。
ああいうことは実際、相当にあります。
主人公たちが自分の望む作品を掲載したい一心で、別の作品を読みきりとして出すシーンがありますが、実は私も似たようなことをやって、自分の望む雑誌に移籍した経験があります。(担当さんに無断とかではないです。一応ちゃんと相談のうえ)
他にもそういうことをした新人の話は聞きます。やり方によっては担当にケンカをうるような形になってしまうので、決して推奨はできませんが……。



●志望者の成功率が妙に高い。


まあ、これは漫画なのでしゃーない。
また、ジャンプは本当に有望な新人しか残っていかないので、ある程度まで残った新人が成功率が高いのは当然かもしれませんが。
また、質の高い志望者は同レベル同士でどうしても固まってゆくので、ある仲間内の成功率が高いのもある意味ありえることかとは思います。
逆に言えば、ダメレベルの志望者はダメレベル同士で傷のなめあいになりかねないということです。友人は大事ですが、高いレベルを目指すなら、自分も高いレベルの中に身をおくことは意識したほうがいいと思います。
私はそういう意味でも漫画の専門学校は薦めないんですよね・・・。


それにしても福田組の団結はすごいですね。新人漫画家同士はお互いにアシをしあったりして仲良くはなるものですが、あそこまではそうはないんじゃないかな・・・。私が知らないだけであるんですかね?



●主人公たちの漫画が…


これも仕方ないんですが、正直、設定とかストーリー展開を見る限り、そこまで面白いと思えないっていうか(笑)。
絵は、小畑先生ですので当然レベル高いのですが。
まあ、ジャンプで実際に連載されている作品と比べちゃいけない…。
ジャンプを目指す人は、あのレベルでいいとは思わないようにね(笑)。
しかし初持込のあの漫画は、まるで1960〜70年代の漫画のようでいろんな意味でびっくり。
あの作品は、多分今だと少年誌だとまず無理、青年誌だとよくて選外佳作か選外Aランクくらいのレベルですね。


「ガラスの仮面」(そういやバクマンでアシの女の子がスゴイと思う漫画としてあげてましたね)という少女漫画があるのですが、演劇をテーマにした漫画のため、作中劇があるんですね。
その作中劇も、かなりのものが作者オリジナルなのですが、これが全部面白いんです。どれも独立した漫画として読みたいほどです。それも1つや2つじゃない。
作者である美内先生が、ある漫画新人賞で「最近の新人の漫画はストーリー性が薄い気がする」と苦言を呈しておられましたが、非常に説得力がありますね。
って話ズレましたけど。



●順位や票数の話に偏りすぎ


これも、ジャンプである以上しょうがないと思いますが・・・・。
ジャンルが漫画であっても「バトル」をしないといけないわけです。
漫画家がわかりやすくバトルをするのならば、どうしても順位や票数での勝負になりますからね。


しかし、漫画家志望の立場から見るなら、もう少し漫画を描く上での葛藤や工夫、過程にスポットをあててほしいような気もするのですが・・・・。
せっかくの原作・作画のコンビ設定も、それほど活かされている気がしないし・・・。


才能ある若い漫画家の目標が「順位」と「アニメ化」だけというのは、クリエイターとしてあまりに寂しいです。
それじゃあ、ただの点取りマシーンじゃないですか。


漫画家のなり方のところに書いたように、漫画をビジネスとして考えられることはとても重要です。
自分の表現だけにこだわって、客観的評価を気にしないのでは仕事になりません。
順位やメディアミックスを意識できなければ、仕事として継続が難しくなります。


しかし、いくらなんでも、あんなに順位のことしか考えていないってこたないだろう・・・。いや、考えてるの・・・?そういうもんなの・・・?


ライバル兼仲間である青木さんは多少自分の表現や描きたいものに対するこだわりや葛藤が見えるのですが、他の作家には驚くほどそれがありません。
あるのかもしれませんが、作中ではほとんど見えません。(現時点のアニメでは、ですが)


高木君にしても真城君にしても、あるいは新妻君、福田君などにしても、自分の漫画や自分のキャラに対する愛情がほとんど伝わってきません。(愛情表現としては、この作品なら一位がとれるとか、このキャラなら人気がとれるとか、アニメ化できるとか、そういうものばかり・・・・)



ずっと見ていると、漫画は彼らが一位をとるためのただの道具にしか過ぎないように思えてきます。


正直、漫画家志望としては悲しくなります。


そもそも、あの二人が漫画家を目指しだした動機からして、「漫画が好きだから」という動機はあまり感じられません。
高木君は自分で言ったとおり、「ただのサラリーマンで人生終わりたくない」、真城君は(そもそも作画家なので、絵での表現に限られるのですが)亡くなった叔父の夢を叶えたいというのが大きな動機になっています。


漫画が好きだとか、漫画で表現する喜びだとか、漫画を通して読者に、世に、何を伝えていきたいのかとか、そういう客観的評価以前の、漫画家としての自分の内部の意志や喜び、こだわりが、作品上からほとんど感じられないのです。


ある意味、そういうこだわりを一番感じたのは、序盤でライバル?として出てくる妙なビジュアル系アーティストです。(名前忘れました)。彼は逆に、自分の個性にこだわりすぎるあまり完全に読者を置いてきぼりにして、自滅してしまいましたが。


ああいうキャラを自滅するライバルキャラに設定する、ってことはジャンプは、個性重視の作家は不要なんですかね?自分のこだわりを貫こうとするような作家より、とにかく順位を追い求めるような作家が好ましいんでしょうか。


ま、商売になるのは当然後者ですけど。


 


ちなみに冒頭に書いた「まんが道」では、主人公の二人が、漫画雑誌の賞金稼ぎにはまってしまい、賞金稼ぎが目的のようになってしまうというエピソードがあります。


最初は、純粋に自分の漫画が売れた、仕事になったという感動をかみしめていた二人も、それが普通になると、だんだん賞金の額だけを気にするようになってゆき、より賞金がもらえるような漫画を描くようになります。
しかし、二人が尊敬する手塚治虫先生の新作を読んで、二人は改めて純粋な漫画に対する愛情を思い出すというものです。
もともと、この二人が漫画家を目指したのは手塚先生の作品にあこがれてのことですので。
なぜ漫画を描きたいと思ったか、なぜ漫画を描くのか……。二人が初心に戻ったエピソードでした。


 


「まんが道」は昔、まだ漫画家という職業が今ほど定着していなかった時代に、いかにして漫画家として生きていくかというところにも大きくスポットをあてて、本当に「道」という感じの作品でしたが、バクマンはジャンプという完成したシステムの中でいかに結果を出し続けていくかという話になっていますね。


野球に例えると、まんが道は自由に野球をやっている感じ、バクマンはバッティングセンターで、機械的に繰り出される玉を、いかにより高く打ち続けるかだけを考えているような感じがします。


別に、バクマンがつまらないというわけではないのですが、表面上の競争だけに焦点をあててしまっている以上、話の深みは薄いという印象です。
ジャンプなんで仕方ないかもしれません。変に深みとか需要ないのかもね。


もしくは今からそこらへんに切り込んでゆく予定なんでしょうかね??


 


それにしても、ジャンプってあそこまでアンケート順位至上主義なんでしょうかねえ・・・。本当に・・・・?


誇張されてるのか、本当にあんな感じなのか、どちらとも思えてしまうあたりがジャンプですね。


ちなみに私のいた雑誌では作家はアンケート結果は教えてもらえませんでした。聞けば答えてくれたかもしれませんが。
私は大分後になってから一度だけ「あの作品はここしばらくの新人ではすごくアンケートが良かったんだ」と教えてもらったことがあります。そういうことはすぐに言っておくれよ・・・。


 


●作家の柔軟性・分析力が高い


これも漫画なのでといってしまえばそこまでですが。


あちこちに私も書いていますように、多くの新人漫画家は自分の作品を客観的に見れません。たいていは非常に過大評価しています。私ももちろん経験あります、というか今も経験中です。


なので、未熟な漫画家志望ほど、したり顔で他の新人の作品をこきおろします。たいていは投稿もしたことないようなレベルの人ですけどね、そういうことをするのは。
まだ読者側なんです、意識が。その読者側の意識を自分に対しても向けられるといいのですが、なぜかそれはできない。


でもバクマンに出てくる作家たちは主人公はもちろん、ライバルも仲間も、かなり自分や人の作品を公平に客観的に評価でき、さらに長所短所の分析力に優れている。
これはなかなか稀有なことです。


人の作品の長所を、自分の作品の短所を、素直に認められるのは、作家にとってとても有利なことです。
また、主人公二人は、人の話を聞く力も優れている。
人の話を素直に受け入れられる新人は伸びます。


私は人の話を聞けないんです。本人は一生懸命聞いているつもりなんですが、聞いていても、無意識化で自分に要不要な情報を、勝手に自分で選別してしまい、結果、必要な情報も退けてしまっているようです。
これは漫画にかかわらず、人生全般で本当に損をしますので、みなさんは人の話をちゃんと、本当に、聞くようにこころがけてください・・・・・。


 


 



さて、なんか批評めいたことばかり書きましたけど、漫画家志望なら読んでみるといいと思います。
漫画としても面白いですしね。小畑先生の絵はきれいだし。


って、私もアニメしか見てないんですが、今度原作も買ってみようと思っています。


Posted at 20:00 | ■雑談 | TB(0) |
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