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2012.03.04

美大・芸大

漫画に関係なく、絵の勉強をしたい人、将来は漫画家以外に画家やイラストレーター、デザイナーなどを考えている人などで、かつ家がある程度裕福な人には良いと思います。

ただし「絵に関係した仕事につきたい」のところに書きましたが、画家もイラストレーターも基本的にフリーランス職であり、漫画家以上に不安定な職なので、「漫画家になれるかどうか不安だから」という保険に選ぶのにはおすすめしません。
またデザイナーは会社に就職すればある程度安定しますが、たいてい激務で漫画家との両立は非常に難しいです。ご注意を・・・。

でも「漫画家になるため」だけなら、それほど意味はないと思います。



■美大や芸大で学ぶような専門的な美術は、ほとんど漫画に関係ない

こちらの記事で書いたとおり、漫画絵というのは学校で学んで上達させるのは難しい分野ですんで。
漫画学科などは別ですが、そういう学科は別の意味でおすすめしません。理由は漫画専門学校のところに。美芸大であっても漫画学科などなら、ほぼ同じことがあてはまります。


「漫画家になるんだから、絵の勉強を」と思うのは当然の流れっちゃ流れなんですが、漫画に必要な画力は、独学で十分です。もしデッサンなどをちゃんと学びたいにしても、後述する美術予備校などで学べる基礎力程度で事足りますデッサンのところでも書いたとおりです。

もちろんまったく関係しないとか無駄だとか、そういうことはないですが、学費等のデメリットを考えた場合、そこまでして行くようなもんでもないかと。
「漫画家になるんだから、絵や漫画は独学で描けて当たり前。専門的な勉強は他の分野を学んで、他の志望者に差をつける」って方がいいと思います。


■他の条件も良くない

他におすすめしない理由としては、美大や芸大の場合、
「学費が高い」
「忙しい」
「就職が良くない」

…の三拍子がそろってしまうのです。

漫画家になるんだから就職は関係ないや、って人もいるかもしれませんが、だったらそもそも大学に行く必要もないです。
漫画家志望が大学に行く理由は、人によりけりとは思いますが、一番はやっぱり「漫画家として成功しなかったときに、就職しやすくするため」だと思います。よほどのお金持ちで、道楽で大学に行かせてもらえるなら別かもしれませんが。

そこで、美大や芸大の就職はけっして良くありません。
比較的良いのはデザインと建築だと思いますが、このあたりに進むと、今度は非常に忙しくなってしまう。
私はデザインでしたが、週1徹夜で課題をこなしていました。少しでもサボったりすると簡単に留年させられますので、必死でやっていくしかありません。
私はできれば大学在学中にはデビューするのが望ましいと思っています。そうなると、就職できるような学科と漫画を両立するのは相当に大変です。

そして学費の問題も大きいです。美大芸大は国公立は少なく難関な上、私立は非常に学費が高いです。
4年通うと学費だけで800万とかかかっちゃいます。画材費やら考えると1000万レベルです。一般家庭だとかなり厳しい額です。

さらに、よほど才能あるかよほど底辺大学でなければ、高校生のうちに2年ほど美術予備校に通わないといけませんので予備校代もかかります。もちろん勉強が必要な学校も多いので、勉強は勉強で予備校が必要なこともあります。
※AO試験など、実技試験がほとんどない試験を実施している大学もありますが、そういう大学はもっとオススメできません。理由はこの記事下部に。

なので、ある程度お金持ちの家じゃないと、大変なことになります。もちろん奨学金制度などいろいろありますが、奨学金は返さないといけませんからね。就職がよくないということを考えると、安易に奨学金を借りると人生詰みますよ。


なお、入試から卒業まで学年トップを通せばたいていの大学では学費は免除です。施設使用費などはかかりますが。能力に自信のある方はそれを狙うのもアリ。



■基礎力なら美大用予備校で学べる

よく漫画家志望の人で、「美大や芸大で絵の基礎を学びたい」という意見を見ます。
プロの漫画家でも「自分は美大を出ていないから基礎ができていなくて」と言う人がいます。
これはちょっとだけ間違いです。

美大や芸大では絵の基礎は学びません。
絵の基礎ができていない人は、そもそも美大や芸大に合格できないからです。


では美大や芸大に合格する人は、どこで絵の基礎を学んでいるかと言うと、美大受験用の予備校というのがあるのです。
大学のレベルにもよりますが、独学のみで美大芸大に入れる人はとても少ないと思います

なので、「美大に行ってないから絵の基礎ができていない」ではなく、「絵の勉強をしていないから絵の基礎ができてない」というのが正しいです。
逆に言えば、高い学費を払って四年間美大や芸大に通わなくても、美大受験用予備校に通ったり、学校の美術教師に習うことで、絵の基礎は学べるのです。
※予備校についてはこちらの記事にも書いています。


基礎以上の部分については、漫画と美術は離れていきます。だからほとんど関係なくなるのです。だから、わざわざ漫画家になるために美大というのは、学費がもったいないなと思いますね。


■AOなど「実技試験なし」で入学できる美芸大には意味がない

某質問サイトで、「高3になって急に美芸大に行きたくなったけど、今から画塾とか行っても間に合わないので、AOで受験します」って人がいるんですが・・・。

あなたは何をしに美芸大に行くのですか。

と言いたい。

これは要するに、美芸大という場所を勘違いしているのです。

美芸大は「行けばとにかく絵を上手にしてくれる大学」ではありません。
また「卒業さえすれば、学歴だけで就職できるような大学」でもありません。

美芸大の価値の半分以上は、「高校生のうちに、予備校などでしっかりとした基礎力を身に着けている」ことにあります。
基礎があるからこそ、大学に入って応用に展開していけるのです。そのあたりは普通の大学と同じです。大学に入ってから足し算引き算や、九九を学ばないのと同じです。(そういう大学も今はあるようですが・・・)

高校時代に予備校に通わず、基礎がない状態で、とにかく入学だけ果たしても、「九九もわからない状態で、大学に入った」のと同じ状態です。

当然、教授はそのあたりはできているのが当然として課題を出します。
美大や芸大は、手取り足取り「上手な絵の描き方」を教えてくれるような場所ではありません。
教授は課題を出して、その結果について批評するだけです。
課題をどう解釈し、どう作成して、どう表現するかは、学生が全部自分で考え、自分でやるのです。そこから何を得るかも学生次第です。
だから、それができる学生じゃないと、入学しても意味がないんです。
無理やり試験すっとばして入学しても、素地がないので、無駄になってしまいます。


例えば、これが、早稲田だとか慶応だとかなら、学歴だけで企業に合格しやすくなることもあるでしょう。
でも、美術系はそういう「学歴だけで就職」がほとんどムリな分野です。
美術系の就職は「ポートフォリオ」という作品集での勝負になるからです。つまりは実力勝負。

一般分野と違い、作品を見れば、学生の実力・努力・可能性、だいたい全部わかるので、学歴や資格から推定する必要がありません。
有名美大がなぜ就職しやすいかというと「有名だから」ではなく、「その大学に入学できるだけの基礎力があるうえで、その大学できちんと学び、結果的に良い作品をたくさん作れるようになったから」なんです。
ただただ、良い作品をどれだけ作れたかの勝負なんです。
なので、ここでもAOで基礎力ない状態で、授業についていけない学生は、置いてきぼりをくらってしまいます。

それならなんでAO試験なんてものが存在するのか?というと、ぶっちゃけ「学費集め」のためとしか思えません。
「AO=金づる枠」と考えても良いと思います。
これは大学側も悪いと思いますが、学生も騙されないように注意してください。

普通に考えて、絵が描けないのに入学できる美芸大に価値がないのは、当たり前でしょ?



美術系に係らず、大学というのはそういうところでして、学校が提供してくれるのは環境と時間と学歴だけであり、それをどう有効利用するのかは本人次第ということです。


何も考えず学校にただ通っていれば何か素晴らしいものが得られるかのような、過大な期待を抱くのはやめましょう。


そういうことをもろもろ考えて、それでも美大や芸大にいきたいなーという場合は、受験準備自体は高校二年の一学期くらいからで間に合います。(東京藝大はまったく話が別です。あそこは何かと特殊なので、志望する方はすぐに準備を始めてください)
予備校に通わないといけないので、親の了承をとったら、まずは学校の美術の先生に相談してください。


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Posted at 09:17 | 美大・芸大 | TB(0) |
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