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2012.01.25

平面デザイナー

平面デザイナー(グラフィック、WEB、エディトリアルを含む)のお話しです。


ちなみに私がやっていたのは一応肩書はグラフィックデザイナーでした。WEBやエディトリアルになるとけっこう違うとは思いますが、進路的には同じ方向に進むのもあるので、ここに入れてしまいました。おそらく業務状況や必要なことも、そう変わらないと思います。


デザイナーも、絵に関係がありそうな仕事の中では、一番現実的な仕事なので、「絵が好きだけど、漫画家とかイラストレーターとかはちょっと無理そうだから・・」という人が、目指すことが多いのではと思います。


絵に関係した?仕事の中では、唯一私が実際に就職して、それで生計をたてていた職業でもあるので、他の職業に比べれば、比較的具体的なことが書けると思います。


ただ、私もけっこうすぐやめてしまったので、たいしたことは書けないですが・・・。


■デザイナーになるための進路


まず、デザイナーになりたい場合の進路はわりとシンプルです。


できるだけ上位のレベルの高い美大・芸大に進み、そこでも良い成績・良い作品をつくり、早くから自分がやりたいデザインはどういった会社に勤めればできるのか調べ、そこに向けて就職活動の準備をするといいでしょう。
面白い仕事、華やかな仕事をしたければ、やっぱりそれなりの会社や事務所に入らなければならないですから、早くからちゃんと調べておきましょう


なお、デザイン専門学校でも就職がないわけではないですが、厳しくはなります。
あと、大卒以上でないと応募できないという会社はやっぱりあります。(大企業に多いです)
応募できたとしても、美大・芸大出身者と競うことになるので、同レベルの作品が作れないと難しいでしょう。
学校まかせにしないことをおすすめします。
また、就職先の待遇によっては、同じ仕事をしても大卒より給料が低いということもあります。(私のいた会社はそうでした)

美術系以外の大学・専門学校からでも、実力さえあれば絶対ムリではないですが、かなり苦戦することにはなると思います。
どうしても事情があって、美術系の進路をとれなかった場合は、ダブルスクールで週末だけでもデザイン系の専門学校に通うなりして、学歴に美術系の経歴を入れた方がいいと思います。

完全独学でも絶対に無理とは言いませんが、独学で美芸大卒に勝てるポートフォリオを作るのはかなり難しく、少なくとも新卒採用で入社するのは難しいでしょう。採用条件にデザイナーに関しては美術系の学歴を指定している会社もあります。

なお、美大や芸大、あるいはデザイン学科の専門学校を出ても、デザイン事務所や広告関係などの会社への就職はそう簡単ではありません。
倍率20〜1000倍くらいの覚悟はいります。
私が入社した中小企業でも、やっぱり50倍近くはありました。
今から10年以上も前の話ですから、今もそれほどかは不明ですが、人気業界なのは間違いないと思います。


漫画家やイラストレーターとして成功するのに比べれば簡単かもしれませんが、ただ学校を卒業すればなれるという種類のものでも、やっぱりありません。



■デザイナーの仕事


さて、このカテゴリの最初の記事に書いたように、デザイナーは絵は描きません。


デザイナーの仕事というのは、広義で言えば「問題解決」
クライアントがデザイナーに仕事を頼むときには、必ずそこに目的があります。何かを「より良くしたい」と思っている…それをかなえるのがデザイナーの仕事です。

なので、ある程度仕事ができるデザイナーだと、クライアントが自覚していない問題点まで探り出して解決しようとしてくれたりします。
大きなプロジェクトだとそのあたりは、デザイナーではなくデザイナーの一つ上の段階、アートディレクターの仕事になりますが、小さな仕事の場合はデザイナーが考えることになると思います。

決して「自分がカッコイイと思った絵を描く」ことや、「自分の個性を活かした表現をする」ことではありません。
もちろん、仕事上でそういうことをするデザイナーもいます。でもそれは「クライアントの問題解決に、それが一番良い方法」と判断したからです。「自分の表現のために仕事がある」のではなく「仕事のために一番有効な方法をとる」という意識が必要です。
そこがアーティストとは大きく違います。

上記は広義というか大元の考え方ですが、平面デザイナーの場合、具体的な仕事は「情報伝達」です。
エンドユーザーに情報を、クライアントの意図に沿った形でより効果的に伝えるために、企画をたてたり、情報の整理をつけて配置したりするのが仕事です。
企画部分を担当するのはデザイナーというよりアートディレクターになりますので(小さい仕事なら末端デザイナーでも全部やっちゃったりします)、デザイナーの実際の作業としては「レイアウト」がほとんどです。

伝達のために絵が必要となることもありますが、絵を描くのは「イラストレーター」の仕事です。予算や時間の都合でイラストレーターに頼めない場合に、デザイナーが代理対応することはありますが。

やっていて意外?と重要だったなと思う能力は「情報整理とストーリー作り」でしたね。


たとえば、クライアントの目的が「お店にきてほしい!」ということなら、誰をターゲットに、どういった切り口で、何から伝え、そこからどうお店に誘導させるのか、というストーリー構成をし、その誘導導線にしたがって、各要素を取捨選択し、配置してゆく、というような作業が必要になるわけです。


特にwebデザインの場合、ディレクションもデザイナーがやることがけっこうあるため、全体の編集能力・ストーリーと誘導の能力の比率がかなりあがると思います。


で、その作業上に、配色やレイアウト、タイポグラフィといった造形能力を載せて、デザイン物として仕上げることになります。そのへんがグラフィックデザイナーのお仕事のメインです。

美大などで培った造形能力はこの段階で活きてくるわけですが、特に必要な能力はとにかくバランスです。上記のとおりデザイナーの作業は「レイアウト」です。
特に文字組みと色彩ですね。デザイナーの能力は文字組みを見ればだいたいわかるといいますが、そのとおりだと思います。
文字と文字のわずかなバランスを0.01mm単位で調整するような感覚が必要となります。


あと、もう一つ非常に重要な能力は「情報を正しく伝達すること」です。
デザインの目的が最初に書いたとおり「情報伝達」です。情報を間違っては何の意味もありません。


商品を売るチラシで、値段を間違って伝えていたら、あとから賠償問題にまで発展することがあります。


情報を正しく伝えられない、というのはデザイナーにとって致命的な欠点です。
絵がうまいとか、色彩センスがあるだとかより、よっぽど重要なことなのです。
(私の母校の入試では、ファインアート系の学科は多少の課題ミスがあっても実力次第で合格させましたが、デザイン系はどんなに他が優れていても、わずかな課題違反で不合格としていました)

私もぺーぺーのうちに辞めてしまったので、あまり偉そうに語れないですが、そのぺーぺー期間の感想としては、デザイナーで大切なのは、

・クライアントの要望を読み取るコミュニケーション力
・要望をできるだけ効果的な形でかなえる提案力
・情報整理および、優先順位をつけて誘導ストーリーを作成し構成する、情報構成力
・構成した情報を、もっとも効果的にビジュアルに落とし込む造形能力
・対クライアントも対社内も、うまく意思を調整しながら納品期限までに仕上げる遂行能力

そして後述しますが、とにかく体力と根性・・・。

ここまで読んでも「絵を描く」という仕事とは大分違うことがわかると思います。



■拘束時間が長い(ことが多い)


ただ、けっこう楽しそうなお仕事だと思いませんか?
私は少なくともそう思いました。
で、実際に楽しいお仕事だとは思います。


 


・・・・拘束時間があんなに長くさえなければ・・・。


 


デザイナーの仕事というのは、会社によるとはいえ、たいていは毎晩深夜、時には徹夜という業務状況が「普通」です。


こういう仕事をやろうと思ったら、とにかく体力と、あと仕事のためにすべてを犠牲にできる精神力が必要です。
私の同僚や後輩、友人のうちかなりの人数が体、あるいは心を壊して辞めることになりました。


私の場合、途中で漫画家になりたくなったため、「仕事のためにすべてを犠牲に」できなくなってしまいました。


 


漫画家を目指すのとデザイナーの両立はさすがに限界がありましたね・・・。
深夜0〜2時くらいに帰ってきて、そこから3時くらいまで漫画を描いて、朝7時半には家を出るという生活でしたので。


漫画の新人大賞の締め切り直前に、会社に泊まりになったのがこたえて、結局転職しました。
そのころには体もけっこう壊れていまして、駅で動けなくなったりして駅員さんにご迷惑をかけたりなどもあったので、漫画家を目指していなくても、少なくとも転職はしたと思います。


 


けっこう、「職業としては就職しやすいデザイナーになって、好きなイラストや漫画は趣味や副業で描けたら」と考える人はいるようですが(私もそんな感じで考えていたのですが)、なかなかそういう余裕のある就業状況のデザイナーというのはないです。
まったくないわけじゃないのですが、非常に少ないです。
運次第ということもあって、そういう会社を探して入社するのはけっこう難しいと思います。


あとお給料もたいてい安いです。これだけ残業していても残業代は出ないのが普通です。ヘタすれば生活できないレベルで安いです。私のいた会社は一応、普通の会社並みの待遇はあったので、そこは良かったです。残業代はなかったですけど…。
最近はブラック会社という言葉が流行していますが、一般的な観点からだと、デザイン関係の会社のほとんどがブラックにあたると思います。


まあそれでも、デザインという仕事自体が好きならば、もっと自分のやりたいことができそうな会社にステップアップするなり、独立を目指すなりして、デザイナーとして上を目指してゆくことができます。
私の元同僚や後輩のうち数人はそうやって今もデザイナーとして頑張っています。まあ大半はなんだかんだで辞めてしまいましたが・・・。続いているのは比較的大きい会社に就職or転職できた人だけですね。



私が途中で漫画を描きたくなったように、「他にやりたいこと」がある人は本当にキツいと思います。


家族や友人や恋人との時間を大事にしたいという人も、相手に相当の理解がないと難しいでしょうね。


女性の場合は、結婚して子供をもうけた場合に、やはり辞めざるを得ないことがとても多いですね。
結婚生活、まして育児との両立はほぼ不可能な会社がほとんどだと思います。
よほど大企業ならどうか不明ですが・・・。



とりあえず、デザイナーを目指したいという人は、他の記事にも書きましたけど、自分が好きなのが「自分の作品をつくること」なのか、「仕事としてのデザイン」なのか、よくよく考えてみるといいと思います。
前者だとしても後者だとしても、ちゃんと自覚していれば、進路にしても会社選びにしても、考えやすくなると思いますし、入社してからこんなはずじゃなかった、ということも少なくなると思います。


また、自分が仕事のために、何をどこまで犠牲にする覚悟があるのか、そのあたりもある程度考えておくといいと思います。


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Posted at 15:48 | デザイナー | TB(0) |
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