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2012.02.28

担当編集って?

プロの漫画家になると「担当編集」というのがつきます。
ほとんどの雑誌ではプロになる前の段階、デビュー予備軍の段階からつくことが多いですが、あまり新人を発掘したり育てる余裕がない雑誌などでは、デビュー後にしかつかなかったりします。


担当編集とは漫画家と編集部の架け橋的な役割をする存在です。


仕事上の窓口ですね。編集部からの情報や要望などはすべてこの「担当さん」を通じて漫画家に伝わりますし、漫画家の描いたネームやプロットなどの第一評価をして、編集部にあげるかどうかを判断するのも担当さんです。


直接編集部にモノを言えるような、一部の大御所作家や、超人気作家などを除けば、漫画家にとって編集部への唯一の命綱といってもいい存在で、特に新人漫画家にとっては命運を左右するといっても過言ではありません。


なぜ命運を左右するかというと、漫画家というのは基本的にこの担当さんがOKを出した作品しか、編集部に提出できないのです。もちろん担当さんだけがOKを出してもダメで、担当さんがOKを出し、かつ編集会議等で編集長や他の編集部員もOKを出したモノしか掲載されません。



ある程度実績を出し、経験もノウハウもあるベテラン作家ならまだしも、何の実績もなく、漫画制作や業界にも慣れていない新人作家は、いろいろ担当頼みになりがちです。


 


漫画家がどれだけ面白いと思って描いたネームでも、担当さんがNGを出せば世に出ることはありません。逆に、雑誌によっては担当さんが面白いと思うものを漫画家に描かせようとするようなこともあるようです。
なので、担当さんがその漫画家の特長や性格、才能の方向性を理解し、その漫画家にあった良い漫画、売れる漫画を描かせることができる能力があれば良いのですが、(そんな担当さんは多くはないです)逆に、担当さんとまったく感覚が合わなかったり、自分とは合っていても担当さんの感覚が編集長とズレていたりすると、いくら漫画家が努力しても、作品が一切世に出ないという事態になってしまいます。


すでに担当付きの志望者なら経験があるかと思いますが・・・、担当さんと自分の好みがまったく合わず、担当さんの言うことを聞いているうちに自分の描きたいものがわからなくなってしまったり、担当さんの言うとおりに描いたら、担当さん個人は褒めてくれたものの、編集部全体の評価はかえって下がってしまったとか、そもそも担当さんがまともに連絡してくれず、作品を描きたくても許可をとることすらできないとか・・・・。
そういうようなことが、かなり頻繁に起きます。


「そんな担当なら、替えてもらえばいいじゃないか」と思うかもしれませんが、基本的に漫画家側に担当編集者を指名、変更できる権利というのはありません。よほどの人気作家や大御所なら別かもしれませんが。新人漫画家ではまず無理と思っておいた方がよいでしょう。
稀に、編集部の上層部へ訴えて担当替えに成功したり、同じ雑誌に担当に無断で再度投稿しなおすなど、勇気ある志望者もいます。どうしてもその雑誌を諦めたくなければ、ダメ元で戦ってみてもいいかもしれません。


ではどうするのかという話ですが、


 


1.その担当さんとなんとかうまくやってゆく方法を考える
…素晴らしい担当さんについてもらって、とんとん拍子にうまくいく、なんて幸運は滅多にないです。安易に担当さんのせいにするのはやめ、自分で努力できるところを努力するのが一番です。


 


2.その担当さんが人事異動などで変更になるまでひたすら耐える(小さい会社だと異動自体がないこともあり)
…大きい会社だと定期的に異動があり、担当さんも変わりますが、それでも数年変わらなかったりするので、あまり期待できない方法です。



3.他の雑誌に移る(掲載実績などがあれば営業、なければ投稿からやりなおし)
…この担当さんの下では努力してもどうにもならない、このままでは真剣に潰れる、と思ったらこの道を選びましょう。


 


基本、この3つくらいしかありません。
ほとんどの場合は1を選びつつ、2を待つ、みたいなことになると思いますが、最悪3を選ばなければならないこともあります。



3になるような担当さんというのはどういう人かというと、私は下記のような感じかなと思います。


●無視・拒否する担当さん
ネームを出しても返事がない。あるいは極端に返事が遅い(一ヵ月以上など)。明らかにネームの内容を見ていない返事をよこす。ネームについての相談を受け付けない。ネーム提出を拒否するような言動をする。ネームや必要な書類を無くす。嘘をつく。その他必要な連絡がない。こちらから催促等しても無視かキレられる。


……こういう担当さんは、おそらく志望者側が努力してもうまくいきません。
普通の担当さんは「どんどんネーム出して」とネームを催促するものです。
担当さんはとても忙しいので、すぐに見れないことはありますが、一ヵ月以上も平気で放置したり、「忙しくて見れない」と開き直ったりしません。
それはつまり「あなたのネームを見る気はない」ということです。
新人教育あるいは仕事自体やる気がない人か、その志望者を完全に見捨てているか、どちらかの可能性が高いです。
そしてどちらにしても、志望者にはなす術がありません。新人には担当替え希望などほぼ不可能ですし、完全に見捨てられていればネームを見ないので、どんなに良いネームを描いても挽回のチャンスもありません。
こういう人に当たったら、どんなに苦労してその雑誌でデビューしたとしても、いったんは諦めて他の雑誌でやりなおした方が良いと思います。どうしてもその雑誌がよければ、出世した後で戻ってくればいいのです。
こういう担当さんは多くはいませんので、よほど運が悪くない限りは当たらないと思います。が、「そうかも・・・」と思ったら、早めに他の雑誌に持ち込むことを考えてみてください。時間も無駄ですが、喰らう精神的ダメージがけっこうハンパないです。


●完全に言うとおりにしないと絶対OKを出さない担当さん
漫画家の意向などほとんど無視して自分ストーリーや自分設定を押し付けてくる。あるいは、自分が描かせたいと思うものなどを、細部まで指定し、漫画家の好みや方向性を無視して押し付けてくる。そして完全にそのとおりにしない限りOKを出さない。


……いろいろと提案してくれる担当さんというのはありがたいのですが、「提案どおりにしないと通さない」となってくると、その担当さんと合うかどうかが重要になってきます。
担当さんに漫画に関する能力があり、漫画家も苦痛でないなら、担当さん原作のような感じで漫画を描いて成功するという道もあります。


また、「この作家はこういうモノを描かせた方がいい」という判断をしたり、「雑誌として、今はこういうジャンルが欲しい」という意向を作家に提案することは、担当さんの仕事でもありますので、必ずしも悪い担当さんというわけではないです。


でも、どうしても担当さんの意向と自分の意向が合わず、ひどく辛い状況になるなら、雑誌を移ることを考えてもよいかもしれません。


こういう担当さんは割りと聞きますね。私は持ち込みで一度当たりました。私の作品の設定の半分くらいだけを利用して、何かとてつもない別ストーリーを熱心に展開されてしまい、申し訳ありませんがまったく頭がついてゆきませんでした・・・。「投稿すれば担当につくから!」と言ってもらえましたが投稿せず・・・数ヶ月後その雑誌潰れました・・・。


 


●パワハラ、セクハラをしてくる担当さん


……私はどちらも出会ったことがないです。昔は女性漫画家ならセクハラにあうこともあったようです。今はどの会社もこういったことについては厳しいと思いますので、滅多にないと思います。


パワハラについては、受け取り側の問題もあるので難しいですが、会社などでは、「仕事に直接関係ない人格やプライベートのことを執拗に攻撃する」ようなものを指します。


ま、パワハラにあたろうとあたるまいと、訴える先がない漫画家にはあまり関係ないことで、自分が我慢できないと思ったら、雑誌を移るしかないわけですが、ちょっと腹が立つ担当さんだからといって雑誌を変わっていたらキリがないので、自分が我慢すべきかどうかの判断をするのに、こういう考え方もあるということで、どういうものがパワハラなのか例を挙げます。


「絵はヘタだし話はつまらないし、ひどいね。真面目に練習してるの?こんなに下手だと漫画家としてやっていけないよ。オチもオチてないし、これで面白いつもり?全然ダメ。もうちょっと頭使って考えれば?」
…言い方はキツイですが、あくまで漫画の批評ですので、パワハラや人格攻撃にはあたりません。


「こんな漫画しか描けないなんて、脳がどっかおかしいんじゃないの?病院いけば?親もロクな人間じゃないんだろ。おまえみたいな人間は何やってもダメなクズだね」
…漫画に直接関係ない部分を攻撃していますので、パワハラ、人格攻撃と考えていいと思います。


私がであった担当さんは、言葉遣いは優しい人が多かったです。(少女漫画は作家に若い女性が多いので、編集さんも優しい物言いをする人が多いです)
こんな言い方をする編集さんばかりではないので、そこはご安心を。


 


上記以外の担当さんなら、多少あわなくても、不安があっても、志望者側の努力次第でなんとかできることも多いと思うので、その担当さんと一緒に努力してゆく道を選ぶのが良いと思います。
上記担当さんは、志望者の努力や能力に関係なく、「自分と合わない」志望者をつぶしてしまうタイプの担当さんなのです。(合う志望者さんとならうまくいくこともあると思います)


さて、ひどい担当さんのことばかり書きましたが、志望者側も勘違いしないようにしなければならないのは、担当さんというのは志望者が成功できるように(そしていつか売れる漫画を描いてくれるように・・・)、できる限りの助力をしてくれるものではありますが、あくまで「助力」でしかなく、またそれは「仕事」であるということです。


漫画を描くのは漫画家です。担当さんではありません。
すばらしい助力を得られることは、本当に幸運なことではありますが、助力なしでも面白い作品が描けるのが漫画家というものです。



「助力」をアテにしすぎたり、鵜呑みにしすぎてはいけません。
担当さんの言葉は当然参考にしなければなりませんが、あくまで製作者は自分だということを忘れずに、頼りすぎることのないようにしましょう。
うまくいってるときはともかく、うまくいかないと担当さんのせいにしがちなこともありますが・・・担当さんのせいにしていても事態は良くなりません。
担当替えができない以上、自分で工夫したり努力して、良い作品をつくるしかないのです。


あと、担当さんは別に善意や好意で助力してるわけではなく、「仕事」ですので、仕事としてモノにならないと担当さんが判断すれば、見捨て気味になったり優先順位が下がることもあります。
その場合も普通の担当さんならば、こちらの努力次第では、見直してもらえることもあると思います。



自分の担当作家が成功すれば、社内での担当さんの評価も上がります。なので、担当さんも自分の担当作家には頑張って結果を出してもらいたいものです。
少しでもその可能性のある作家なら、常識的な担当さんは完全に見捨ててしまうことはないと思います。


そして、担当さんも会社員で、出版社も会社である以上、当然「オトナの事情」的なものはあります・・・。トップの意向もあれば、組織内のあれこれ、編集者同士の力関係ですとか人間関係ですとか・・・。
ここについては漫画家がどうこうすることはできません。仕方ないものと飲み込んで自分でできる努力を続けるしかないとは思いますが、これについても、「ここにいても自分はどうにもならない」と思うなら、雑誌を変わるしかないでしょうね。


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2012.02.14

担当さんのアドバイスは必ず自分の頭で整理しなおす

というのは、決して担当さんのアドバイスを軽視しろという意味じゃありません。


ただ、担当さんと自分では、作品に対する感じ方が違うので、言葉どおりに受け取ってしまうと、担当さんの「本当の意図」と違うことをしでかしてしまう可能性があるのです。


なので、担当さんと自分では感じ方が違うということを充分わかったうえで、担当さんが本当は何を言いたいのか、言葉の表面だけなく、その意図を汲み取ることが大事です。


あと、当然担当さんにも、好みとかその場の気分というものはあります。担当さんによっては、そういうものが大きく出る人もいますので、どこまで取り入れるかは自分でちゃんと考えて判断した方がいいです。


自分で考えず、ただ担当さんの言葉通りだけに修正してゆくと、作品として整合性がとれなくなったり、作家の個性がなくなったりします。それで「担当さんの言う通りにしたのに、結果が悪かった」ということになっちゃったりします。
作品を作るのはあくまで漫画家ですので、自分の頭で考えることを忘れないようにしましょう。


ただ、担当さんのアドバイスを丸無視したり、完全否定するのはやめておきましょうね。信頼関係も大事ですので・・・。自分から対案を出すときは、担当さんのアドバイスを尊重する気持ちを強調して出しましょう。


 


1.言葉の定義を確認する


以前、担当さんから「構図がわかりづらい」と指摘をいただいたことがあります。
私は「構図」というのはコマの中の絵の構図だと思い、絵の構図ばかりこだわって変更しようとしていたんですが、よくよく話を聞くと、担当さんの言う「構図」とは「コマ割」のことでした。
私のコマ割が変則すぎて、読みづらいという意味だったんですね。


これはそんなにはないですが、たまにありますね。
「ネーム」とか「プロット」とか、だいたいは同じようなものでも、微妙に違う物を想定して話をしていることがあります。
ちょっとでも「??」と思ったら、わからないままにせず、きちんと聞いてみるといいと思います。


 


2.担当さんの言葉の「理由」を考える


例えば、自分では絶対必要だと思うシーンを、担当さんが「削れ」と言ってきたとします。
その場合、何も考えずそのシーンを削るのではなく、なぜ担当さんがそのシーンを不要だと考えたのか、その理由についても、担当さんに聞きましょう。


理由によっては、そのシーンを削らなくても、別の方法で解決できることがあります。


担当さんの目的は作品を改善することです。シーンを削る、というのはあくまでそのための一つの手段でしかありません。


大切なのは「目的を果たす」ことですので、自分でもっと良い手段があると思ったら、それを担当さんに伝えて「これでもいいですか?」と聞いてみたらいいでしょう。


逆に、担当さんの言葉の目的を理解せず、ただ手段だけ言う通りにしても、作品として良いものにはなりませんし、自分も成長しません。


必ず、担当さんがその言葉を通して、どんな問題点をどう改善したいと思っているのか、自分でも考え、担当さんにも聞くようにしましょう。


ただ・・・前に述べたように「とにかく自分の言うとおりに修正しないと絶対に通さない」タイプの担当さんの場合はやっかいです・・・。あと体育会系というか、新人漫画家に「自分の頭で考える」ことなんか求めておらず、「とにかく俺の言うことだけきいてりゃいいんだよ」というタイプの人もいなくはないでしょう・・・・。


こういう人に変に逆らうと無駄に回り道をすることになるので、なんとか「表面上はその人の言うことを聞いた」ことにしつつ、作品としても改善されるように自分で工夫してください・・・。社会人になると会社などではよくあることです・・・。


 


3.問題の本当の原因を考える


漫画を描いていると「絶対おもしろいはずなのに、担当さんはつまらないと言う」ということがよくよくあると思います。
例えば、私ですと自分では充分キャラをたたせているつもりなのに、担当さんに「キャラがたってない」と言われ続けました・・・。
こういう場合、原因としては


1・表現しようとしているもの自体がつまらない(キャラ自体に魅力がない)
2・表現方法がまずい(キャラの魅力を表現するエピソードの質、量などに問題がある)
3・両方


大きく、この3つに分かれると思います。


が、担当さんにはこの区別はつきません。


というのは、担当さんは当然、ネーム上で表現されているものしかわかりません。
「表現方法がまずいから伝わらなかったけど、伝えようとしたものは素晴らしいのです」と言ったところで、その「伝えようとした素晴らしいもの」が伝わっていないので、それが素晴らしいかどうかわかりようがありません。
なので、本当の原因が2であっても、結果的に1にしか見えないのです。


ということなので、担当さんが何か問題を提示した場合、その原因について、担当さんの言うことだけを聞いて改善しようとするのではなく、自分でも、その問題の本当の原因は何なのか、よく考える必要があります。


本当の原因が2なのに、1だと思っているといつまでたっても改善できないという状態になりかねません。


ただ漫画家側は漫画家側で、本当の原因が1であっても2だと思いたいものです。
方法の問題なら改善もできますが、表現したいもの自体がつまらないと言われてしまうと、なんかもう全否定ですから(泣)。
客観的に原因を見抜き、的確な改善法をさがすというのは難しいものです・・・。


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