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2016.02.13

コミック系の絵は独学が基本

いつもの質問サイトで回答しているうちに、なんとなく自分で考えがまとまったので記事にしてみます。
(毎回同じ回答を書くのに飽きたというのもある)

漫画家やイラストレーター(コミック系)になるために、美大や専門学校に行きたいという人をちらほら見ますが、美大や専門学校の記事に詳しく書いたとおり、「漫画系の絵を上達させるため」という意味なら、あまり意味はありません。

まず、美大では漫画絵の勉強自体ほとんどやりません。カリキュラムにないです。美大の記事でも書いたとおり。
では、カリキュラムに漫画絵が入っているような、漫画やイラスト関係の学科や専門学校なら良いのかというと、それも違うと思います。
そういった学科や専門学校がいかにムダでリスクが高いかというのは、専門学校の記事で詳しく書いていますので、そこはもういいとして、この記事で書きたいのは、そもそも漫画系の絵は、ある程度以上は学校で教わって上達するのものではない、という話です。

漫画っぽい絵というのは、

「基礎的なデッサン」
    +
「デフォルメのセンス」
    +
「ポージング・構図・色彩のセンス」
    +
「表情などの表現力」


だいたいこういったもので出来上がっています。

このうち、学校で教わって上達するのは「基礎的なデッサン」くらいだと思います。
私が「ある程度以上は」と書いた、その「ある程度」というのがデッサンなんですね。
そのデッサンを学びたいなら、美大や専門学校ではなく、美大予備校に通うのが一番確実で安いです。
(美大のところに書きましたが、そもそもデッサンができないと美大合格はできない。専門ではデッサンは授業のごく一部でしかなく、まったく足りない)

また、デッサンの延長線上で考えていいと思いますが、クロッキーも人に習うのは悪くないと思います。
クロッキーは美大用予備校ではあまりやりません。なので、クロッキーを習いたい場合は街のカルチャー教室とか、そういう場所を探すことになるでしょう。
学生さんなら、学校の美術の先生に教わるので十分です。

しかし、残りの「デフォルメセンス」「ポージング・構図・色彩のセンス」「表情などの表現力」については、学校で効率的に教われるものではないです。

まず、「センス」=感覚であるように、そもそも人から教わって身につくものではない、というのが一つ。感覚なんて学校で勉強してどうにかなるものじゃない。
素晴らしいセンスの講師がいて、かつ教え方もとても上手だったとしても、学校で全員座って同じ授業を受ければ、できあがるのはその講師の劣化コピーです。それでは意味がありません。

なお、決して生まれつきのものだから努力では身につかないということではありません。もし身に着ける方法があるとしたら、数多くの優れた作品に触れ、自分で研究し、吸収し、自分の中でアレンジして、自分の個性として育てていくということになると思います。
デフォルメについても、あるいはポージングや色彩についても、今はネットでも本でも、いろいろなところでセンスの良い人が自分なりのコツなどを教えてくれています。
一人の講師だけを真似ても劣化コピーですが、複数の情報を自分なりに取り入れていけば、それは自分のものになります。
方法があるとしたら、そういうものしかないと思います。

もし学校に、そういったことを効率的にやっていけるようなカリキュラムを組んでいるところがあれば、それは素晴らしいと思うのですが、残念ながら難しいと思います。
こういったことは本人が日常的に常にアンテナを張って、貪欲に取り込んでいかなければならない。「本人の日常生活の姿勢」にかかっているんです。学校のカリキュラムでフォローできるようなものではないと思います。

授業で一時間二時間教えたところで、あるいは一週間やそこらの課題を出したところで、とうてい身につくものではありません。
よほど優れた講師が、マンツーマンで指導すればどうかわかりませんが、大学や専門学校で、とてもそんなものは期待できないです。
なお、これは漫画絵以外のイラストでもほぼ同じことが言えます。
※元々小学生なみに下手な人が、中学生レベルくらいになれることはあるかもしれません。でも専門学校に行く年齢でそんなことをしていても、どうせプロにはなれないので、専門卒業したあとどうしようもなくなります・・・。

なので、逆に言えば「漫画絵を学べる学校や学科」というのは、あまりアテにならないと思っていいです。
本来、教えられないはずのものを教えると言ってお金をとっているわけですから。
漫画やイラストの学科や専門学校が、たいていどこもボロクソに言われて評判が悪いのはこのせいもあると思います。
学校のカリキュラムが悪いというより、「もともと、そういうものを学校で教えること自体にムリがある」んです。

私は「(どうしても習いたいなら)美術の先生か美大用予備校に習う+独学」
これで十分だと思います。
これも逆に言えば、「独学で上達できない人は、どんな学校に通っても上達できない」ということでもあります。

もしも、今は上手じゃないけれど、美大とか専門学校に行けば上手にしてもらえる、と思っている人がいたら、すぐに考えを改めて、今すぐ独学で実力を上げるようがんばってください。

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2012.04.05

絵を習うなら

私は、漫画家やイラストレーターになるために、特別な学校や機関で絵を学ぶ必要は特にないと思っています。
実際に、そういう経験なしにプロになっている作家も少なくありません。
しかし、もし学びたいのであれば、もちろん学んでおいて損はないわけです。

そこで、どこで学ぶのが最適かというと、私は中高生のうちに、美大受験を目的とした予備校に通うのが、内容もコスパ面も、一番良いと思います。
ただ、どこにでもあるわけではないのが難点ですが…。

多分、美大用予備校は日本で「手取り足取り、上手な絵の描き方を教えてくれる、唯一の学校」です。
(個人のお絵かき塾やカルチャーセンターを除けば・・)

美大の記事に、そもそも基礎ができている人間しか美大に入学できないと書きましたが、美大生などが高校生のうちにその基礎を学ぶ場所です。
※もちろん、必須じゃありません。自分でどうしても必要だと思うなら…です。多くの漫画家さんは予備校なんかに通ったりしていません。独学で描けるならそれでかまいません。専門学校ほどでないにせよ、お金もかかることだし。)

普通の勉強の予備校と同様、大手予備校もありますし、個人の画塾などもあります。
美大を受験する人しか行っちゃいけないんじゃないかと思うかもしれませんが、たいていの予備校はそんなことありません。単に絵が上手になりたいという人が行ってももちろん良いのです。
中高生と書きましたが、大学生や社会人でもOKのところも多いと思います。
自分で実際見学してみて、あうところに行くといいと思います。

学ぶ内容は、共通するのはデッサン。そして色彩構成、立体構成、水彩など受験科目にあわせた基礎内容です。
漫画家になりたいならデッサンだけでも良いし、もしイラストレーターを目指すなら色彩構成や水彩も学んでおいて良いでしょう。

これらは、美大や芸大の入試項目です。つまり「美術を仕事にしようと考える人間に、最低限必要な基礎力」ということです。

漫画専門学校などより、よほど安い学費で、実用的な高レベルの授業が受けられます。
予備校なので、中学や高校と並行して通いますから、本来の進路を塞ぐこともありません。

また、周囲の生徒たちも美大や芸大を本気で目指す高レベルな人間であるというのも大きいです。
学校というのは、カリキュラムや講師も大切ですが、周囲の仲間から受ける刺激というのも相当に大切ですから。
落書きしかしないオタ友達や、まともな試験もないレベルの専門学校の同級生にかこまれているよりは、切磋琢磨できると思います。

なお、別に本当に美大・芸大に進む必要はありません。(進みたいなら別ですが、私は漫画家になるために美大や芸大に行く必要は特にないと思ってます。詳しくはこちら
その場合は美大芸大を目指すわけではなく、漫画のために必要な基礎デッサン力をつけたいのだとあらかじめ先生に相談しておくといいでしょう。


1年ほど基礎を学べば、とりあえず漫画に必要なだけの基礎力はつくと思います。これ以降の本格的な受験用デッサンというのは、漫画に必要かと言われると、まあ学んで損はないだろうけど・・・・というレベルのことになると思います。デッサンのところに書いたとおりです。


あと、人体デッサンやクロッキーを中心に学びたい場合は、受験用の予備校ではなく、町のデッサン教室やカルチャー教室みたいなところの方がよいかもしれません。(受験用予備校では、あまり人間は描かないです。入試にあまり出ないのと、モデルの準備などが大変なので)




予備校に通うのが難しい中高生の方は、学校の美術の先生に個人レッスンをお願いしてみると良いと思います。美術部で学ぶのもよいでしょう。
意外と現役の中高生の方は忘れがちですが、「学校の美術の先生」はあなた方の一番身近な「美術を教えるプロ」です。
彼らのほとんどは美大・芸大出身者です。(私の中学は一時期趣味で絵を描くだけの数学教師が教えていましたが・・・)

デッサンや色彩の基礎くらいは教えられます。わざわざお金をかけて外に勉強しにでかけなくても、学費内で教えてくれます。
なぜか美術の先生を頼る前に、お金をかけて何かの学校に行きたがる人が多いですが、まずは学校の先生に相談してください。先生が協力的ならば、それで充分だと思います。先生がまったく頼りにならないなら、残念ですが外に勉強しにいきましょう。


なお、これはあくまで基礎的なデッサンなどの話です。漫画に特化した技術について人に習う場合には、おそらく一番上達するのはプロのアシスタントをすることだと思います。


どんな仕事でも、現場にまさる教室はありません。ただ、仕事なので「教えてもらう」意識だけで行くと先生にご迷惑をかけるので、もちろん自分でも「お金をもらえるレベルの仕事」ができるように、ガンガン底上げして行きましょう。


Posted at 23:11 | 美大用予備校 | TB(0) |
2012.03.05

美術系高校

漫画家を目指す人には、高校の段階からちゃんと美術を学びたいと考える人も多いと思います。
その考え自体は素晴らしいと思います。

でも、美術系高校はおすすめしません。

まず、漫画家になるための美術の基礎であれば、美術高校など行かなくても学べます。
日本で美術の基礎を学ぶのであれば「中学までの普通学校の美術の授業+美大用予備校」で十分です。
美大用予備校についてはこの記事でも書いています。

美大予備校は高校と並行して通えますので、普通の高校に行きながらで良いと思います。
美大用予備校では人物はあまり描かないので、人体デッサンを中心に学びたいなら、町のデッサン教室とかカルチャーセンターとか、そういったところに行くのも良いと思います。

美術高校の何が悪いって、ほとんどの高校が低偏差値(50以下)であることです。また、数学や英語などの授業を、美術の授業に変更してしまっている高校もあります。
そうなると、高校まではいいとして、その後困ったことになります。

漫画家になる予定なので、就職や進学について考えてない人もいるかもしれませんが、漫画家という仕事の成功率の低さを考えると、高校のうちに人気作家になるなどでない限り、就職か進学しておくべきだと思います。

しかし、美術系高校からの「就職」は非常に困難です。商業高校や工業高校ではないので、就職サポートなどはたいてい充実していません。
そもそも、美術系の就職で、高卒OKのところはほとんどありません。

なので、進学が前提となっているのですが、ここで「低偏差値」が足かせになります。美術系の大学に行くにしても、勉強は不可欠です。
まともな美芸大のほとんどは偏差値50~55程度の学力は必要となります。

でも実技で有利なのでは、と思うかもしれませんが、それがそんなことないのです。
美術高校の授業だけでは、到底美大受験には太刀打ちできません。結局普通高校と同様に、美大用予備校に通う必要があるのです。
しかも勉強ができないのだから、勉強の補強もしなければなりません。

私は美術系の大学に行きましたが、美術系高校出身者もわずかながらいました。
でも、彼らが普通高校出身者に比べて、特に絵が上手とか実技に優れているということはありませんでした。
ただ、とにかく勉強ができなかった。
勉強が不要な入試方法で入学してきたのでしょうが、美大でも英語などは必須なんですよ、留年もするんですよ。
「美術系高校って、単に頭悪いだけじゃん」という感想を抱いてしまいましたね。ま、その人たちがたまたまそういう人たちだっただけ、という可能性もありますけれど。

勉強と実技のどっちも中途半端で、どっちもそれだけじゃ受験の役に立たないのです。



また、受験などの進路関係以外の面で、「漫画家になる」という目的を考えた場合にも、美術系高校は良いとは思いません。
漫画家になるために、学校で学ぶべきことは勉強以外では人間関係が重要です。

実際に漫画を描くようになれば、よくわかることですが、恋愛、ファンタジー、バトル、スポーツ、SF…どんな漫画を描くにしても、重要なのは「人間ドラマ」です。
人間ドラマが重視されない漫画、というのは本当にごくわずかな例外のみで、ほとんどありません。

その人間ドラマを構築するのに、中高生時代の人間関係というのは、かなり重要になります。
別に、コミュ力高くして誰とでも仲良くしろということではないですがさまざまなタイプの人間に出会い、そういう人たちがどういう考えを持ち、どういう言動をするのか。また、自分がそれに対しどう思い、何を考え、どう対処していったのか、そういう経験が漫画では非常に役に立ちます。

なので「いろんな人間に出会って、一緒にいろんなことをする」というのが、かなり良いネタの宝庫になるんですよ。

そういう意味で、美術系高校に入ってしまうと、ある意味自分と似たような人間が集まってしまうので・・・。例えば理系人間や、体育会系人間、ギャル系などはどうしても少なくなりますよね。居心地は良いし、楽しいかもしれませんが、人間観察という意味では、あまり良くない環境だと思います。

自分と全然違うタイプの子がたくさんいる普通高校の方が、漫画のネタという意味でも、良いと思います。


なので、私は普通高校に通いながら、どうしても絵の勉強をしたいなら、美大用予備校などに通うのをおすすめします。


もちろん、高校は進学のためだけに通うものではないので、上記のリスクを考えても、美術高校に行きたいと思うならかまいませんが、その場合はなるべく偏差値が高く、進学実績も良い高校を選ぶことをおすすめします。
私は聞いたことないですが、もし偏差値50~55程度ある美術系高校があるなら、そこでも悪くないと思います。
Posted at 17:20 | 美術系高校 | TB(0) |
2012.03.04

美大・芸大

漫画に関係なく、絵の勉強をしたい人、将来は漫画家以外に画家やイラストレーター、デザイナーなどを考えている人などで、かつ家がある程度裕福な人には良いと思います。

ただし「絵に関係した仕事につきたい」のところに書きましたが、画家もイラストレーターも基本的にフリーランス職であり、漫画家以上に不安定な職なので、「漫画家になれるかどうか不安だから」という保険に選ぶのにはおすすめしません。
またデザイナーは会社に就職すればある程度安定しますが、たいてい激務で漫画家との両立は非常に難しいです。ご注意を・・・。

でも「漫画家になるため」だけなら、それほど意味はないと思います。



■美大や芸大で学ぶような専門的な美術は、ほとんど漫画に関係ない

こちらの記事で書いたとおり、漫画絵というのは学校で学んで上達させるのは難しい分野ですんで。
漫画学科などは別ですが、そういう学科は別の意味でおすすめしません。理由は漫画専門学校のところに。美芸大であっても漫画学科などなら、ほぼ同じことがあてはまります。


「漫画家になるんだから、絵の勉強を」と思うのは当然の流れっちゃ流れなんですが、漫画に必要な画力は、独学で十分です。もしデッサンなどをちゃんと学びたいにしても、後述する美術予備校などで学べる基礎力程度で事足りますデッサンのところでも書いたとおりです。

もちろんまったく関係しないとか無駄だとか、そういうことはないですが、学費等のデメリットを考えた場合、そこまでして行くようなもんでもないかと。
「漫画家になるんだから、絵や漫画は独学で描けて当たり前。専門的な勉強は他の分野を学んで、他の志望者に差をつける」って方がいいと思います。


■他の条件も良くない

他におすすめしない理由としては、美大や芸大の場合、
「学費が高い」
「忙しい」
「就職が良くない」

…の三拍子がそろってしまうのです。

漫画家になるんだから就職は関係ないや、って人もいるかもしれませんが、だったらそもそも大学に行く必要もないです。
漫画家志望が大学に行く理由は、人によりけりとは思いますが、一番はやっぱり「漫画家として成功しなかったときに、就職しやすくするため」だと思います。よほどのお金持ちで、道楽で大学に行かせてもらえるなら別かもしれませんが。

そこで、美大や芸大の就職はけっして良くありません。
比較的良いのはデザインと建築だと思いますが、このあたりに進むと、今度は非常に忙しくなってしまう。
私はデザインでしたが、週1徹夜で課題をこなしていました。少しでもサボったりすると簡単に留年させられますので、必死でやっていくしかありません。
私はできれば大学在学中にはデビューするのが望ましいと思っています。そうなると、就職できるような学科と漫画を両立するのは相当に大変です。

そして学費の問題も大きいです。美大芸大は国公立は少なく難関な上、私立は非常に学費が高いです。
4年通うと学費だけで800万とかかかっちゃいます。画材費やら考えると1000万レベルです。一般家庭だとかなり厳しい額です。

さらに、よほど才能あるかよほど底辺大学でなければ、高校生のうちに2年ほど美術予備校に通わないといけませんので予備校代もかかります。もちろん勉強が必要な学校も多いので、勉強は勉強で予備校が必要なこともあります。
※AO試験など、実技試験がほとんどない試験を実施している大学もありますが、そういう大学はもっとオススメできません。理由はこの記事下部に。

なので、ある程度お金持ちの家じゃないと、大変なことになります。もちろん奨学金制度などいろいろありますが、奨学金は返さないといけませんからね。就職がよくないということを考えると、安易に奨学金を借りると人生詰みますよ。


なお、入試から卒業まで学年トップを通せばたいていの大学では学費は免除です。施設使用費などはかかりますが。能力に自信のある方はそれを狙うのもアリ。



■基礎力なら美大用予備校で学べる

よく漫画家志望の人で、「美大や芸大で絵の基礎を学びたい」という意見を見ます。
プロの漫画家でも「自分は美大を出ていないから基礎ができていなくて」と言う人がいます。
これはちょっとだけ間違いです。

美大や芸大では絵の基礎は学びません。
絵の基礎ができていない人は、そもそも美大や芸大に合格できないからです。


では美大や芸大に合格する人は、どこで絵の基礎を学んでいるかと言うと、美大受験用の予備校というのがあるのです。
大学のレベルにもよりますが、独学のみで美大芸大に入れる人はとても少ないと思います

なので、「美大に行ってないから絵の基礎ができていない」ではなく、「絵の勉強をしていないから絵の基礎ができてない」というのが正しいです。
逆に言えば、高い学費を払って四年間美大や芸大に通わなくても、美大受験用予備校に通ったり、学校の美術教師に習うことで、絵の基礎は学べるのです。
※予備校についてはこちらの記事にも書いています。


基礎以上の部分については、漫画と美術は離れていきます。だからほとんど関係なくなるのです。だから、わざわざ漫画家になるために美大というのは、学費がもったいないなと思いますね。


■AOなど「実技試験なし」で入学できる美芸大には意味がない

某質問サイトで、「高3になって急に美芸大に行きたくなったけど、今から画塾とか行っても間に合わないので、AOで受験します」って人がいるんですが・・・。

あなたは何をしに美芸大に行くのですか。

と言いたい。

これは要するに、美芸大という場所を勘違いしているのです。

美芸大は「行けばとにかく絵を上手にしてくれる大学」ではありません。
また「卒業さえすれば、学歴だけで就職できるような大学」でもありません。

美芸大の価値の半分以上は、「高校生のうちに、予備校などでしっかりとした基礎力を身に着けている」ことにあります。
基礎があるからこそ、大学に入って応用に展開していけるのです。そのあたりは普通の大学と同じです。大学に入ってから足し算引き算や、九九を学ばないのと同じです。(そういう大学も今はあるようですが・・・)

高校時代に予備校に通わず、基礎がない状態で、とにかく入学だけ果たしても、「九九もわからない状態で、大学に入った」のと同じ状態です。

当然、教授はそのあたりはできているのが当然として課題を出します。
美大や芸大は、手取り足取り「上手な絵の描き方」を教えてくれるような場所ではありません。
教授は課題を出して、その結果について批評するだけです。
課題をどう解釈し、どう作成して、どう表現するかは、学生が全部自分で考え、自分でやるのです。そこから何を得るかも学生次第です。
だから、それができる学生じゃないと、入学しても意味がないんです。
無理やり試験すっとばして入学しても、素地がないので、無駄になってしまいます。


例えば、これが、早稲田だとか慶応だとかなら、学歴だけで企業に合格しやすくなることもあるでしょう。
でも、美術系はそういう「学歴だけで就職」がほとんどムリな分野です。
美術系の就職は「ポートフォリオ」という作品集での勝負になるからです。つまりは実力勝負。

一般分野と違い、作品を見れば、学生の実力・努力・可能性、だいたい全部わかるので、学歴や資格から推定する必要がありません。
有名美大がなぜ就職しやすいかというと「有名だから」ではなく、「その大学に入学できるだけの基礎力があるうえで、その大学できちんと学び、結果的に良い作品をたくさん作れるようになったから」なんです。
ただただ、良い作品をどれだけ作れたかの勝負なんです。
なので、ここでもAOで基礎力ない状態で、授業についていけない学生は、置いてきぼりをくらってしまいます。

それならなんでAO試験なんてものが存在するのか?というと、ぶっちゃけ「学費集め」のためとしか思えません。
「AO=金づる枠」と考えても良いと思います。
これは大学側も悪いと思いますが、学生も騙されないように注意してください。

普通に考えて、絵が描けないのに入学できる美芸大に価値がないのは、当たり前でしょ?



美術系に係らず、大学というのはそういうところでして、学校が提供してくれるのは環境と時間と学歴だけであり、それをどう有効利用するのかは本人次第ということです。


何も考えず学校にただ通っていれば何か素晴らしいものが得られるかのような、過大な期待を抱くのはやめましょう。


そういうことをもろもろ考えて、それでも美大や芸大にいきたいなーという場合は、受験準備自体は高校二年の一学期くらいからで間に合います。(東京藝大はまったく話が別です。あそこは何かと特殊なので、志望する方はすぐに準備を始めてください)
予備校に通わないといけないので、親の了承をとったら、まずは学校の美術の先生に相談してください。


Posted at 09:17 | 美大・芸大 | TB(0) |
2012.02.16

イラスト専門学校について

某質問サイトを見ていると「イラストレーターになりたいのですが、どの専門学校が良いでしょうか」という質問をよく見ます。

残念ながら、現時点では、多くのイラスト専門はどこも同じで、たいてい評判は悪いです。どこなら良いとは聞きません。(個人塾などについては、例外もあるかもしれません。私は大手しか見ていないので)

デザインでいえば、桑沢デザイン研究所を推す人が多いですが、それもあくまでデザインならの話であり、イラストとなるとそこまで優位性はありません。イラストはとにかく、学校より個人なんです。
なお、イラストとデザインはかなり違う仕事ですので、そこもご注意ください。この記事で詳しく書いています。※ゲーム業界に限り、イラストレーターのことをデザイナーと呼ぶことがあります。特殊な例です。



詳しく説明します。
漫画専門学校が無駄な理由と、かなり重複していますが。


1.学校で学べる領域が少ない

イラストレーターとして生きるのに必要な力は、
「技術力」・「センス」・「営業力・」「運」・「需要に合わせる力」・「時流に乗る力」
…。
だいたいこんなものだと思います。

このうち、学校で学べるものは「技術力」だけ…、しかもそのうち、基礎段階のごくわずかな部分だけです。
正直、専門学校に入る段階では、独学でそこくらいまではやっていないと間に合わないレベルのところです。

つまり、イラストは学校で学んで上達させられるものではないです。
多少は学べるかもしれませんが、本当に多少だし、今はネットで有用な講座がいくらでもあるので、そこを超える内容ではありません。
詳しくはこの記事で書いたとおりです。
(上記の記事にもありますが、基礎をちゃんと学びたいなら、美大用予備校が最適です。レベルの高さは専門の比ではありません。専門より安く、専門より徹底的に、学ぶことができます。しかも高校と並行して通えますのでオススメです。)

とりあえず、「専門に行けば上手になれる」と甘えた考えの学生は、ここで裏切られます。
結局は90%以上は独学にかかってます

専門学校からプロになった人いわく、「高校時代から、企業から仕事が来るレベルなのは当然」とのことでした。
それくらいのレベルでないと、専門からプロになるのは困難だと思って良いと思います。




2.就職自体がほとんどない

知らない学生さんも多いようですが、イラストレーターは就職自体がほとんどありません
これは、学歴とか、本人の技術力とかに関係なく、もともとないんです。
ごく一部の例外を除き、就職しない仕事…自営業なんです。

漫画専門学校のところでも書きましたが、「就職しない仕事のための専門学校」ってほぼ意味ないです。
専門学校というのは就職するための学歴や資格を身につけるところですから。
就職しない自営業ならば、必要なのは実力や営業力などで、学校はまったく関係ありませんし、実力についても1.で述べたように、結局は独学ですので。

そのことを知らず、「イラスト系の就職をしたいです」と言って専門学校に入学してしまうと、アテが外れます。
こういう子のほとんどは、イラストレーターという職業をあまり知りません。普通の会社員のように、「普通に就職できて、就職したら安定する仕事」と勘違いしていることがあります。
でも、イラストレーターはそういう職業ではないです。就職自体がほとんどなく、就職できても非正規であることが多く、正社員になれてもフリーランスといったり来たりになることが多いです。

安定した就職したいなら、イラストレーターを目指すこと自体が間違いです。

それをわかってない人が専門に行くと、ひどいことになります。

では、イラスト以外の就職ができるかというと、それも厳しいと思います。
普通に考えて、イラストの勉強しかしていない以上、それ以外の仕事に就くのは難しいのはわかると思います。
企業から見ても、「イラスト専門」を出ているのに他の仕事で応募してきた学生には、良い印象を持ちません。
イラストの勉強しかしてないければ、一般企業に役立つスキルは一切ないのは一目瞭然。そして、「イラストでプロになれなかったから、妥協でウチを受けたんだろうな」というのが、ありありとわかるからです。

また、世間一般での、イラスト専門学校のイメージは悪いです。学歴としては、かなり下層になります。
常識ある社会人なら、「イラストは専門学校で学んでプロになれるようなものではない」ことがわかります。なのに、わざわざ大金かけて専門学校に行き、あげくにプロになれずに普通の就職をしようとしている学生について、計画性や根性のなさを感じとるのです。

多少なりとも他に就職のチャンスがあるとしたら、デザインや印刷関連でしょうが、デザインとイラストは違いますので、デザイン会社などが、イラスト専門から採用することはかなり少ないと思います。
学校関係なく、個人でデザインの勉強を深めていたら、なんとかなるかもしれませんが、それなら最初からデザイン専門学校に入ればよかったという話になります。

こういった専門学校は、高い就職率をHPに載せていることも多いですが、イラスト以外の就職が多かったり、派遣やフリーターも数に入れていたり、就職できなかった人は「就職を希望していなかった」として分母から外したり、いろいろ数字のマジックを使っていることもあるので、あまり鵜呑みにしないようにしてください。



…というわけで、上記の二点をあわせますと、

「今はそれほど上手じゃないけれど、専門学校に行って真面目に勉強すれば、絵が上達して、どこかしらには就職できる」と思っているような人には、イラスト専門学校は向いてない

…と言えると思います。




イラスト専門学校の利点


では、専門学校はまったくもって無駄なのか、絶対に行かない方がいいのか?というと、多少は利点もあると思います。


①就職情報・支援

上記で「ほとんどない」と書きましたが、イラストレーターには、わずかながら一応「就職」という道があります。
ほとんどがゲーム会社になります。(なので、ゲーム以外の絵のプロになりたい人は、やはり就職はないということになりますが)

そのゲーム会社も、あまりにもわずかで狭き門なので、目指す場合は相応の実力と覚悟が必要です。
具体的には、専門学校だとトップクラスの1~2人、良くて3~4人くらいしか、採用されないと思ってください。これは大手だけの話ではなく、中小企業まで含めて、そんなものなのです。
悪ければ0人という学校もあるようです。

その狭き門を目指す場合に、専門学校が持っている情報やノウハウは役に立つことがあると思います。
学校によってはインターン制度がある場合もあるでしょうし、求人情報もあるでしょう。

また、就職活動に必須となるポートフォリオ制作ですが、まったくの独学で、美芸大の学生に勝つのは、かなり大変なことだと思います。
ここは、実際にイラストレーターとして活動している講師の指導があった方が良いと思いますし、専門学校であればさすがに多少のノウハウは蓄積されていると思います。


②外部セミナー等で一流のプロに接する機会

専門学校には、外部から有名イラストレーター等を招いて、セミナーを開催することがあります。
ただ、全員が必ず受講できるとは限らず、抽選だったりして結局全然受講できない…なんてこともあるので、そこはご注意ください。

こういう機会がありましたら、ぜひその機会を最大限に利用しましょう。最前列に陣取って、もしできるものなら、自分の作品を持って、意見を聞きにいきましょう。


③インターン等プロの現場を体験する機会

専門学校によっては、インターンシップなど現場体験の機会を作っているところもあります。これも、もちろん参加しましょう。
現場に勝る教室なしです。


④人脈

専門学校の常勤講師の多くは、(売れてる人はいないけど)現役のイラストレーターです。また、同級生の中からも将来プロになる人が出るかもしれません。

人脈と言えるほどのことになるかはわかりませんが、そういったところから、イラストレーター同士の交流や、ひいてはもう少し外部の人との交流、または仕事依頼につながるようなこともあるかもしれません。
ま、「かもしれません」レベルの話ではありますが。

でも、学年に数人とはいえ、レベルの高い人もいるでしょうから、トップレベルの数人で切磋琢磨するのは良いと思います。
逆を言えば、そういうレベル以外の人と、必要以上に馴れ合ってはダメです。友人として仲良くするのは良いと思いますが、作品制作や活動においては、レベルの低い人にひきずられないでください。
常に、学年トップの人だけを見て、その人を追い越すようにしてください。
何度も書いているようにトップレベルの人しかプロになれないし、専門卒でプロになれなかったら、かなり悲惨なので。


専門学校の利点は、だいたいこれくらいだと思います。
あくまで独学でプロレベルになる実力があるというのが、これらの利点を活かせる条件です。
どんな人脈があろうと、就職の支援があろうと、本人の実力がダメなら、まったく意味はありませんから。


…というわけで、

「独学でプロに近い実力を身につけ、専門学校ではトップに立つ自信があり、就職の情報やポートフォリオ制作のノウハウなど、業界知識がないと不利になる部分だけをサポートしてほしい」という人には、専門学校が役に立つ

…こともあるかもしれません。



個人的には、上記の利点だけをうまく利用したいなら、社会人向けのカリキュラムを一部とるだけでも十分なように思います。


イラスト専門の学費がけっして安くないこと・就職が非常に悪いこと・ツブシがまったくきかない学歴であること・イラストレーターがとても不安定な仕事であること、…などを総合的に考えると、

専門学校にガッツリ通うのではなく、学歴として役に立つツブシのきく普通大学などにすすみ、専門は部分カリキュラムだけとってWスクール

…というのが一番賢いように思います。

漫画専門学校のところでも同じことを書きましたが…。


なお、最後に「高校時代までは、それほど上手でもなかったけれど、専門学校に行ったあとで、劇的に上手になり、プロになった」…という人の例を貼っておきます。

本気度が凄い!Kouji Tajima(田島光二)氏がハリウッド進出の夢を叶える為に、実践した学生時代の勉強法がぱない。


高校までたいした努力をせず、突然高3くらいになってから「イラストレーターになりたい」と思うようになった人には、救いのような存在ですが、この方の場合は2Dではなく3Dであること、本人の専門学校に入ったあとの努力が凄まじかったことが理由だと思います。
こういう人は、本当に滅多にいません。
でも、これくらいやる、できると思うなら…参考にしてもいいと思います。


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