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2016.02.13

コミック系の絵は独学が基本

いつもの質問サイトで回答しているうちに、なんとなく自分で考えがまとまったので記事にしてみます。
(毎回同じ回答を書くのに飽きたというのもある)

漫画家やイラストレーター(コミック系)になるために、美大や専門学校に行きたいという人をちらほら見ますが、美大や専門学校の記事に詳しく書いたとおり、「漫画系の絵を上達させるため」という意味なら、あまり意味はありません。

まず、美大では漫画絵の勉強自体ほとんどやりません。カリキュラムにないです。美大の記事でも書いたとおり。
では、カリキュラムに漫画絵が入っているような、漫画やイラスト関係の学科や専門学校なら良いのかというと、それも違うと思います。
そういった学科や専門学校がいかにムダでリスクが高いかというのは、専門学校の記事で詳しく書いていますので、そこはもういいとして、この記事で書きたいのは、そもそも漫画系の絵は、ある程度以上は学校で教わって上達するのものではない、という話です。

漫画っぽい絵というのは、

「基礎的なデッサン」
    +
「デフォルメのセンス」
    +
「ポージング・構図・色彩のセンス」
    +
「表情などの表現力」


だいたいこういったもので出来上がっています。

このうち、学校で教わって上達するのは「基礎的なデッサン」くらいだと思います。
私が「ある程度以上は」と書いた、その「ある程度」というのがデッサンなんですね。
そのデッサンを学びたいなら、美大や専門学校ではなく、美大予備校に通うのが一番確実で安いです。
(美大のところに書きましたが、そもそもデッサンができないと美大合格はできない。専門ではデッサンは授業のごく一部でしかなく、まったく足りない)

また、デッサンの延長線上で考えていいと思いますが、クロッキーも人に習うのは悪くないと思います。
クロッキーは美大用予備校ではあまりやりません。なので、クロッキーを習いたい場合は街のカルチャー教室とか、そういう場所を探すことになるでしょう。
学生さんなら、学校の美術の先生に教わるので十分です。

しかし、残りの「デフォルメセンス」「ポージング・構図・色彩のセンス」「表情などの表現力」については、学校で効率的に教われるものではないです。

まず、「センス」=感覚であるように、そもそも人から教わって身につくものではない、というのが一つ。感覚なんて学校で勉強してどうにかなるものじゃない。
素晴らしいセンスの講師がいて、かつ教え方もとても上手だったとしても、学校で全員座って同じ授業を受ければ、できあがるのはその講師の劣化コピーです。それでは意味がありません。

なお、決して生まれつきのものだから努力では身につかないということではありません。もし身に着ける方法があるとしたら、数多くの優れた作品に触れ、自分で研究し、吸収し、自分の中でアレンジして、自分の個性として育てていくということになると思います。
デフォルメについても、あるいはポージングや色彩についても、今はネットでも本でも、いろいろなところでセンスの良い人が自分なりのコツなどを教えてくれています。
一人の講師だけを真似ても劣化コピーですが、複数の情報を自分なりに取り入れていけば、それは自分のものになります。
方法があるとしたら、そういうものしかないと思います。

もし学校に、そういったことを効率的にやっていけるようなカリキュラムを組んでいるところがあれば、それは素晴らしいと思うのですが、残念ながら難しいと思います。
こういったことは本人が日常的に常にアンテナを張って、貪欲に取り込んでいかなければならない。「本人の日常生活の姿勢」にかかっているんです。学校のカリキュラムでフォローできるようなものではないと思います。

授業で一時間二時間教えたところで、あるいは一週間やそこらの課題を出したところで、とうてい身につくものではありません。
よほど優れた講師が、マンツーマンで指導すればどうかわかりませんが、大学や専門学校で、とてもそんなものは期待できないです。
なお、これは漫画絵以外のイラストでもほぼ同じことが言えます。
※元々小学生なみに下手な人が、中学生レベルくらいになれることはあるかもしれません。でも専門学校に行く年齢でそんなことをしていても、どうせプロにはなれないので、専門卒業したあとどうしようもなくなります・・・。

なので、逆に言えば「漫画絵を学べる学校や学科」というのは、あまりアテにならないと思っていいです。
本来、教えられないはずのものを教えると言ってお金をとっているわけですから。
漫画やイラストの学科や専門学校が、たいていどこもボロクソに言われて評判が悪いのはこのせいもあると思います。
学校のカリキュラムが悪いというより、「もともと、そういうものを学校で教えること自体にムリがある」んです。

私は「(どうしても習いたいなら)美術の先生か美大用予備校に習う+独学」
これで十分だと思います。
これも逆に言えば、「独学で上達できない人は、どんな学校に通っても上達できない」ということでもあります。

もしも、今は上手じゃないけれど、美大とか専門学校に行けば上手にしてもらえる、と思っている人がいたら、すぐに考えを改めて、今すぐ独学で実力を上げるようがんばってください。

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2016.02.08

とにかく描こう!

さて、基礎の話の前に、心構え的なことを一つだけ書きます。

ここに二人の漫画家志望のAさんとBさんがいるとします。
二人とも、絵の上手さなどは同じレベルの初心者です。

Aさん「道具とか、描き方とか、いろいろわからないことはあるけれど、早く絵描きたいし、とにかく描いていきゃいいや!」

Bさん「自分には何の知識も技術もないのだから、まずはきちんとした知識を身に着けて、道具や本もそろえよう。漫画にもデッサンが重要って言うし、まずデッサンの基礎からだな。美術教本をそろえよう」

Aさん「おっ、今回のワ●ピースすげえ面白い!そうだ、このキャラのサイドストーリー描いちゃえ。二次創作ってやつー!同人誌とか出しちゃう??」

Bさん「プロになりたい人間が二次創作なんてやっていちゃダメだ。ちゃんと自分のオリジナル描けるようにならなきゃ。ストーリー作りのためには、有名な映画や本もたくさん見て分析しておかないと。あ、キャラ造形も勉強しないとな。ふむふむ・・・さすが有名な先生の本はためになるなあ」

Aさん「よし、とりあえず漫画描けた!あれ?ひょっとしてサイズ間違えてね??絵もヘッタクソな気がするけど、ま、いっか。とりあえず持ち込みってやつやってみよう!」

Bさん「自分なんかの実力では、まだまだ持ち込みなんてできないな。絵も構成力ももっと勉強して上手になるまで持ち込みはお預けだ。そうだ、専門学校に行けばもっとレベルの高い勉強ができるんじゃないかな。やっぱりきちんとした知識と技術は学校で学ばないとな」



・・・・さて、上達が早いのはどちらでしょうか。



もちろん個人差はあれど、早く上手になる可能性が高いのは、圧倒的にAさんです。


理由も簡単です。

Aさんは漫画を描いているけれど、Bさんは描いていないから。

Bさんは「調べよう」「勉強しよう」「本を買おう」「学校に行こう」と自分ではあれこれ精力的に動いているように見えますが、いろいろ理屈をつけて漫画は描いていません。

Aさんは何も考えていないように見えるけれど、Bさんよりは確実に漫画を描き、Bさんが最後まで「勉強しなきゃ」で終わっているのに対し、実際に持込するところまで行っています。

Bさんのやっていることがムダとは言いません。知識をつけるのも、練習をするのも、大切なことです。
でもそれだけでは漫画は描けるようになりません。
最後は専門学校にまで頼ろうとしていますが、学校に頼っても同じ。漫画を描けるようにはなりません。

知識も技術も教養も、すべて漫画を描かなければ、漫画の役にはたちません。


そういう意味では、多少乱暴で、考えなしで、間違えだらけでも、とにかく漫画を描いているAさんの方が、Bさんよりずっと見込みがあるのです。

今はサイズすら間違えていて絵もヘッタクソかもしれません。でも、描いて編集部に持ち込み続けていれば、本だけ読んで漫画を描かないBさんよりも、圧倒的に上手になります。

例えれば、Aさんはフォームもめちゃくちゃ、服装も普段着のままで、転んで傷だらけになりながら、マラソンを走り出しているようなものです。周囲は笑うしバカにするかもしれません。でも、走っていればいろんな人がアドバイスをしてくれるし、本人もいろいろ気がつき、改善してゆくでしょう。
そうするうちに、フォームもきれいになり、専用のシューズもそろえ、上手に走れるようになっていきます。

それに対し、Bさんはいつまでたってもピッチに入らず、ベンチで「マラソンの走り方」の本を読んでいるだけなのです。走り出さない人間に、誰もアドバイスはできませんし、本人も何にも気づきようがありません。
Bさんもいずれは、完璧なフォームの「知識」だけを身につけ、最高のシューズでピッチにようやく上がる日がくるかもしれません。
でも、走り出して始めて気がつくのです。そもそも、マラソンを走り出すだけの体力がなかったり、フォームの知識だけがあっても実際走れるわけはないことに。

そのころ、Aさんはもうゴール近くです。そういうことなのです。

特に真面目な人にはありがちだと思いますが、あまり頭でっかちになって、準備にばかり時間をとられることのないようにしてください。

編集部の人は、みっともなくて転んでいる志望者であっても、走り続けているならば、見捨てることはありません。でも走ろうとしない志望者のことはどうしようもありません。

知識や勉強は「漫画を描く」ことではないのです。そんなことばかりやっているのはただのオタクです。
何も考えず、ノートやシャーペンでぐいぐい漫画を描いていく子の方が、ずっと漫画家に近いです。


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