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2012.03.12

漫画専門学校について

本来は、「進路の考え方」に入れるつもりだったのですが、こちらだけちょっと特殊な気がしますので、別にいたします。
なぜ特殊かというと、こういった専門学校は「進路」として選ぶべき学校ではないと思うからです。

まず、私は漫画関係の専門学校というものの存在自体、漫画家志望者に良い影響を与えていないと思っています。
それは、こういう学校があるばっかりに、「専門学校に行けば漫画家になれる」「漫画家になるための技術は専門学校などで学ぶもの」という間違った先入観を、中高生の漫画家志望者に植え付けている感が否めないからです。

そんなことを考えている人がいたら、すぐ考えを改めてください。
理由は詳しく下に書いてますが、とりあえず18歳から学校で初めて学ぶのでは遅すぎます。

たとえば美容師や看護師、服飾関係の専門学校などは、専門学校でしか得られない必須の技術や資格があり、業界内でも専門を卒業して就職する道筋がついていますので、これらの専門学校を「進路」として選ぶのは、そういった仕事を目指すなら当然の選択ですが…漫画家はまったくそういう職業ではありません。
専門学校でしか得られない技術や資格はなく、専門を出て漫画家になるような道筋も一切ありません。
専門学校なんかに行ったって、「漫画家」という仕事には何も結びつかないのです。
かといって後述するように、漫画家になれなかったときに役立つことも、ほぼありません。
なので、「進路」としては考えられないのです。

本気で漫画家になりたいなら、通うべきは専門学校ではなく編集部です。
というか、専門学校に行こうとも、編集部に通わなければ漫画家にはなれません。(遠い地方の人は投稿中心になるでしょうが)

中高生が漫画家になるためにやっておくことは、専門学校を目指すことではなく、自分で漫画を描いて自分で編集部に持ち込むことなんです。
このことをよく覚えておいてください。

とにかく学校と名のつく組織に入って安心したいタイプの人や、周囲にお膳立てしてもらわないと何もできません!という人は早いうちに違う道にすすみましょう。漫画家に向いてません。


※2015/11月追記:
先日漫画専門学校の取材をテレビで見ましたら、講師の方が「投稿できる漫画を制作できるようになるのを目指す」とおっしゃっていました。
プロデビューがゴールじゃないんですね。「投稿できる」がゴールなんです。
この専門がたまたまそうなだけかもしれませんが、いろんな専門学校の実績やカリキュラムを見た感想では、どこも同じではないかと思います。だからカリキュラムのレベルが低いんだね・・・。

でもね、漫画を投稿できる、というのは漫画家を目指すうえで、本当に第一歩。下準備中の下準備です。そこから何年も頑張って、やっとデビューできるかどうか、というのが普通の道のりです。

なので、そもそも「漫画家になるための学校」ではないのです。
「漫画家になるための下準備のための学校」なのです。

しかし、漫画家のデビューの旬は二十歳前後、早い子は中学生でデビューする業界です。
多くの本気の漫画家志望者はそのレベルの「下準備」は高校生までに終えています。もちろん独学でね。でないと間に合わないのです。
さらに言えば、18歳にもなって「独学で投稿する原稿が作れなかった」時点ですでに、適性はあまりないです。
わざわざ数百万の学費と何年かの時間をかけて、その第一歩を教えても、適性がない人に手遅れな授業をしてるだけです。

プロになれる人がほとんどいないのは当然だと思いました。





では、おすすめしない詳しい理由です。

1. 専門学校から漫画家になれた人はほとんどいない。

これがすべてですね。
これは専門学校のHPなどで実績を見るとわかると思います。

私も、複数の専門学校のデビュー実績を調べてみました。
実績すら掲載していない学校もあります。また掲載されていても、姉妹校などもすべてひっくるめて、創立以来の累計で掲載しているところが多いので、はっきりとはわからないのですが・・
募集人数や、その学校の創立年数などから、分母を想定すると、だいたいどこの学校も80~100人に1人くらいしかデビューしていません。「アタリ年」なのか、たまたまデビュー者が多いときですら、学年に数人です。

漫画家志望者ばかり数十人集めれば、完全放置しておいてもそれくらいの人数は勝手にデビューします。
なので、学校はまったく関係なく、もともとデビューできる能力のある人だけがデビューしているというだけです。

私は「学校がデビューに何か寄与している」と言うには、少なくとも学年の三分の一くらいはデビューしていないといけないと思います。でもそんな専門学校見たことないです。

漫画家志望ばかり100人集めた中で、自分なら絶対1位になれる!という実力の持ち主なら、デビューできるかもしれませんが、そういう人は学校に行かなくてもデビューできます。
そういう学校に300万以上をかけるか?という話ですね。


2.専門学校で学べる内容は、ほとんど本やネットで独学できる。

今は漫画家になるための本やサイトは山のようにあります。
サイトをかたっぱしから見てまわり、本を数冊買って読み込めば、少なくとも漫画を一作仕上げるくらいの知識は身につきます。
本気の漫画家志望者なら小中学生くらいで、このくらいは済ませています。
だから、小学生で受賞したり、中学生でデビューしている人もいるわけです。そういう人たちもあなたのライバルです。

なのに、18歳にもなってこのレベルのことを学校に行かないと学べないと言うような人は、いろんな意味で漫画家になるのは無理ですよ。

わかりますよね。

ちなみに、私がこういう学校のカリキュラムを見た感想がこちらの記事です。




3.本やネットで学べないことは、持込やアシスタントで学ぶのが一番早い。


実際にどのようにストーリーを組み立てるか、キャラをどう設定し、エピソードをどう作るか、演出はどうするか…そういう「知識」だけではカバーできない部分については、実際に自分で漫画を描いては編集部に持ち込んで批評してもらうというのを繰り替えすのが一番です。
専門学校の先生がほめてくれたって、編集部がOK出さないとデビューはできません。だったら、最初から編集部に見てもらったほうがいいに決まっています。

持ち込みは(交通費以外)無料です!
何度でも行けますし、一つの作品を複数出版社に見てもらうのもできます。(投稿は一社だけですが)
地方から上京しなければならない人でも、専門の学費よりはずっと安上がりなはずです。

たまに、専門学校のカリキュラムで「作品を編集部の人に見てもらえる」というものがあるのですが、なぜ自力で無料でできることを、学校に学費払ってやらなければならないのか意味不明です。

アシスタントも編集部経由で紹介してもらえますよ。もちろんある程度の実力は必要ですが、その程度までも自力でいけない人は専門通っても無理ですから。


「学校で教えてもらえるようなことは独学で学べる」し「独学で学べないようなことは編集部やプロの現場から直接学ぶのが一番早く確実」なんです。
これを一人ではできません、という人は学校なんか行ったって漫画家になるのは厳しいです。




4.学歴としてはほとんど使えない。

漫画家は自営業であり就職しないので、中卒でも高卒でもなれます。なので、漫画家になるためだけなら学歴のことは考えなくてかまいません。
でも、どうせ時間とお金をかけて進学するなら、就職できるような学歴をとっておきたいでしょう。

専門学校は認可校でなければ、そもそも学歴にならないので高卒です。
しかし、認可校でも漫画コンテンツ関連など、多少でも漫画に関係した会社に就職する場合以外では、本当にない方がマシというくらい、使えない学歴です。そしてもちろん、「漫画に関係した会社の就職」なんてそれ自体ほとんどありません。

つまり、漫画家になれなかった場合、就職に大変苦労するということです。
当たり前ですよね。大学と違い、「専門学校」というのはその名のとおり、「その専門の職業に就くため」の学校です。逆を言えば、その職業以外への就職には役に立ちません。それだけしか勉強していないのですから。
漫画家のように「就職しない仕事」のための専門学校なんて、そもそも意味ないのです。
ではいったい何のためにこういう学校があるのかというと、学費集めのためです。

「でも就職率はけっこういいみたいだけど・・」と思った方も注意してください。
専門学校の出している就職率は実態とかなり異なるケースがあるようです。
くわしくはこの記事の後半に体験者の話がありますのでどうぞ。

簡単に言うと「就職率の分母を『就職希望者』だけに限定し、かつ就職できなかった人は『就職希望していなかったことにする』ことで、ほぼ100%に近い数字を出せるということです。
これだと、就職できた人がたとえ学年に1人でも「就職率100%」という数字を出せます。
あと、家事手伝いやフリーターも就職にカウントしている学校もあるそうです。
正しい就職率を知りたければ、専門学校に「昨年度の卒業生数と希望業界に正社員として就職できた人数を教えてください」と聞いてみるといいでしょう。多分答えてくれないだろうけれど。

まあ、データ的なことはともかく、普通に考えてみればわかることです。
あなたが自分の大切なお金を使って人を雇うとき、高偏差値の有名大卒の学生や、難関美大卒の学生を押しのけて、「勉強もせず、デッサンの訓練もせず、金さえ払えば誰でも入れる学校で、落書きみたいな漫画を2年ちょろちょろ描いて、結局プロになれずに、仕方なく就職活動をしている学生」を雇いたいか、考えてみればわかると思います。
そんな子にいったい何の仕事ができるというのでしょうか。自分のお金払って雇えますか?

なので、100人に1人の漫画家になれたらまだしも、なれなかった場合にどうしようもなくなります。
就職しなくても生きていける人や、強力なコネがあってどうにでもなる人以外は、人生詰みかねないです。


 


5.学費だけは300万ほどと短大並み・・・。


これ、本当にひどいと思います・・・。
ちゃんとした美術系大学と、年間でみれば学費ほとんど変わらないんですよ・・・・。

内容を考えると、せいぜい数十万でしょう。
一般的に専門学校の学費ってね、何に対して払うものかといいますと、就職するのに使える「学歴」「資格」ほぼこの二つですよ。
漫画家にはもともと両方不要ですので、「漫画家になる」という目的においては、専門学校はまったく無意味です。

じゃあ漫画家になれなかったときに使える学歴や資格がとれるかっていうと4番に書いたとおり、ない方がマシなレベルです。
もちろん、肝心の「授業内容」ってものがありますが、これも2番と3番に書いたとおり独学を上回るレベルとは思えません。というか、独学でこの程度も学べない人間は漫画家には向いてません。二年学校に通っただけでなれるようなお手軽な職業なら、世の漫画家は苦労しないです、ホント。

少なくとも300万もの価値は絶対ありません。

300万って大変なお金ですよ?あなたの親があなたの将来のためにと、一生懸命貯めたお金です。平均レベルの収入の人が貯めようとすると、何年かかるかって金額ですよ?

それを将来に何もつながらない、「趣味」に遣うのはやめてください。
そんだけお金があるなら、いっそ、そのお金で生活できる間ニートになって、死に物狂いで24時間漫画に費やし、持ち込みに明け暮れる方が大分マシです。





6.漫画家になれるような子は専門学校には行かない



ここまで読んできてわかったかもしれませんが、そもそも漫画家になれるような「自分で努力できる人」は、専門学校に行きません。


自分で調べ、学び、練習し、漫画を描き、投稿し持ち込みし、編集部にもまれてきていれば、私が1〜5番に書いてきたようなことは自分でわかります。
編集部とやりとりして、受賞だ掲載だというレベルにいれば、漫画家として生きていく大変さも身にしみてわかります。
だから、本気で漫画一本に絞る覚悟がある人間は、ひたすら漫画を描きまくり、持込とアシスタントに明け暮れますし、漫画家になれなかったときのことを真剣に考える人なら、学歴として使える学校に進むなり、就職するなり、現実的な道を確保します。

今まで自力でそういう努力をしてこなかった人は、何もしてないから何もわかりません。

独学で何をどこまで学べるか、自分の実力がどれくらいか、漫画家という道がどれくらい厳しいか・・・。わかろうとする努力すらせず、「いつか誰かに教えてもらえる」日をのんびり待っている眠り姫のような子が、安易に「学校に行けば漫画家になれちゃうかも」なんて甘い期待をしちゃうのです。

だから専門卒の漫画家はほとんどいないんです。

80~100人に1人くらいしかデビューしてない、と1番に書きましたけど、あまりに少なすぎます。本気の漫画家志望を集めたなら、たとえ放置していても、10~15人くらいはデビューしていていいと思います。
なので、「専門学校にいる大半は本気の漫画家志望者ではない」というのが実際のところではないかと思います。

もちろん、本気で努力してきたにも関わらず、専門学校に入ってしまう人はいます。
うっかり入ってしまったのか、デメリットを承知の上でそれでも何かしらメリットがあるからか(上京できるとか、親を納得させられるとか)、理由はそれぞれでしょうが。
そういう人が、学年に数人しかいない専門学校出身の漫画家になるのだと思います。
人によっては専門学校に行かない方がデビューが早かったかもしれません。学校に通ったり学校の課題をやっている間、自分の漫画を描いて持ち込んだり、アシスタントに入るほうが絶対上達は早いですよ。

結局、専門学校であっても、そういう人だけがデビューするのです。

「漫画家になれるような人は専門学校には行かない、漫画家になれないような人だけが専門学校に行く。
ただし、たまに漫画家になれるような人がうっかり入っちゃうこともある。そういう人だけがデビューする」


専門学校はそういう場所です。

「漫画家になれないような人を漫画家にしてくれる夢の学校」ではないのです。





すでに専門学校に入ってしまった人は、学校は適当でいいので、とにかく編集部に持ち込みに行ってください。専門学校の空気に飲まれないように。
無駄だと思ったら学校は辞めてもいいと思います。役に立つとしたら、やっぱり編集部以外にネームチェックをしてくれる人を確保できるくらいですかね。

なお、専門学校ではなく、大学の漫画コースとかならば、腐っても「大卒」という肩書きが手に入りますので、一応卒業だけはしておいていいと思います。
学科がアレだとしても、「大卒」の肩書きは社会でかなり使えるのです。




番外:専門学校の講師の先生の言葉

最後に、私などより確実な情報ソースとして、専門学校の講師をなさっている漫画家さんのブログを引用・ご紹介します。こんな思いっきりアンチ専門学校のブログから直リンするのは失礼な気がするので、直リンは避けています。
専門学校のこと以外にも、役立つことがたくさん書かれていますので、志望者の方は読者になられると良いと思います。

※なお、他にも書きましたが私はアンチ専門学校ですが、現場の講師・職員の方を非難・攻撃する気はまったくありません。漫画家として実績を積み、その経験を惜しみなく学生に教えておられる講師の先生には尊敬の念しかありません。ただそのことをもってしても、高額学費の専門学校の存在には疑問符がどうしてもつく、というのが私の考えです。
最後に「p」を足してブラウザにコピペしてください。
http://hkato.sblo.j
「まわり道マンガ道」かとうひろし先生

2013年11月07日記事より以下引用---
「専門学校」という名称がついていると、専門職の養成をしている所で卒業後は「選考した専門職に就職できる」と思いがちです。
美容師とかレントゲン技師とか歯科技工士とか、いわゆる技術職は国家試験などを受けてパスすれば、就職先を見つけてその仕事につくことが出来ます。
しかしマンガ家の場合は、資格試験がありませんし「マンガ家を社員として雇用する会社」などそもそも就職先(*1)がありません。
学校サイドが学生をマンガ家にしてあげたいと躍起になっても、その手段を持たないわけです。
学生達の奮起を促して、持ち込みや投稿を促すという事になりますが、ここで重要なのが本人の「どうしてマンガ家になりたい」度の高さ。
(中略)
「専門学校に行けばマンガ家にしてくれる」と思っている人が、ひょっとして今でもいるかもしれません。
マンガの専門学校に行けば「マンガ家にしてくれる」のではなく、マンガ家になるための「マンガを描く技術や心構え」を身につけさせ「活動を援助」してしてくれるというのが正解です。
本人が動かなければ、マンガ家に限らずどんな職でも一緒だということは理解しておく必要があると思います。

---引用終わり

こちらを読んでいきますと、思ったとおり、自力で漫画描けないのに、「学校いきゃなんとかなる」と入ってきて、結局なんともならない学生さんたちに苦労しておられる様子がよくわかります。
「キャラの落書き程度しかしたことがない人間が、専門学校に入っただけで漫画家にはなれない」といったことも書かれています。
専門学校の利点についても、当然記載していらっしゃいます。
どの学校なのかがちょっとわからなかったのですが、専門学校を検討される際、参考になるかと思います。

私の方で、専門学校の利点と思われる内容は一応、こちらの記事を書いていますので、どうぞ。
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