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2012.03.15

ちょっと昔の会社を思い出した記事

http://diamond.jp/articles/-/31772
夢なきアニメーターの劣悪職場に光は見えるか?
会社の“追い出し”に抵抗する社員たちの絶望と執念



例の「シュリンク業界」の記事です。


まあ、テーマがテーマなので、毎回明るい内容にはならない記事ですね。
このブログをお読みの方にはアニメやアニメーターに興味のある方もいるかなと思ってピックアップしたのですが、内容的にはアニメ業界に特有の話はあまりありませんでした。


が、私が「絵に関係する仕事につきたい・・・?」に書いたことに関係する内容かなと思いましたので、まあ好きなことで一生生きるって大変よねという話です。


 


私がこの記事を読んでいて思い出したのは私が以前に勤めていたデザイン事務所です。


まさに数十人の中小企業で、給料体系もこの記事にあったとおり。家の近くでないと続けられないとか、ほぼ会社に泊まりこむのが当たり前の人がいるとか、自分のいた事務所の話じゃないかと思うほど、よく似ています。
でも、私がいた事務所って実は業界内ではまだ待遇が良いほうだったのですよ。この記事に書いてあるような内容で、まだマシなんです。デザインやらアニメやらの業界の水準ってそういうものです。


なお、私の知人では「平日は深夜間業務が当然で、休日だろうと深夜だろうと、常にクライアントからの電話が私用携帯にひっきりなしにかかってきて、そのときどこで何をしていようが、かかってきたら即その場で対応しなければならなかったWEBデザイナー(フリーじゃないですよ会社員ですよ)」とか、「家族経営の会社で、ほぼ24時間拘束され、私物のPCや機材をすべて提供させられ、雇用主家族の私物まで休日に無料でデザインさせられたデザイナー」とか「20年前のPCで、ソフトもペンタブもなしにハイレベルなデジタルイラストを描けと言われ、断ったら無能とののしられてクビになったデザイナー兼イラストレーター」などなどの話がふっつーにあります。


デザイナー仲間や大学の同期と話してると、この手の「ブラック会社自慢」は後をたたないです。過労死の話もちょくちょく聞きます。


なお、どれも年収は200〜300万程度で残業代休日手当て一切なしです。月10〜15万くらいしかもらえないってことです。地方ならともかく都市部では一人暮らしはまず無理です。ちなみに都市部の会社です。


なので、私のいた事務所が「待遇がいい」という話になるんですね。


一応、年収は初任給で330万くらい(額面ですよ)はあったし、わけのわからないパワハラはなかったし、毎晩深夜残業はあっても、24時間拘束が当たり前というほどひどくもなかった。
よほどでない限り、みな深夜2〜3時くらいには一度家に帰ってました。翌朝9時に出社しなきゃいけないことを考えると、会社に泊まる人もいましたけど。
あ、でも最後の方は一週間や一ヶ月は帰ってないというか帰れない人いたな・・・。


 


まあ、こういう話をしだすととまらないクリエイティブ業界。


 


で、愚痴はともかくとして、私がこの記事を読んで思ったのは、「こういう業界で、中小企業にしか入れなかった人は、最後までその会社に養ってもらおうと考えていけない」ということです。


正直、こういう業界って、中小企業にお金がまわる仕組みになってないんですよ。アニメは特にそう。業界の構造自体がそうなっているので、会社に労基だなんだと言ったところで意味がないです。どうにかしたいなら業界全体を改造するくらいでなければ。


上記のひどいデザイン会社の話を読んで、「なんでそんな待遇でみな我慢しているの?組合は?残業代請求すればいいのに」と思った方もいたでしょうが、そういうことを実際にする人はほとんどいません。


会社との関係が悪くなるとかそういうことではなく、まず組合なんてものはたいていないというのが一つ。
次に、中小だとそもそも会社に支払い能力がないので、もしまっとうにそんな訴えが通ったら会社は間違いなく潰れます。
会社をぶっ潰してでも残業代もらうぞという人は別ですが、会社に残る人のことを考えたらそこまでやろうという人はほとんどいません。


そして、同じ業界ならどの会社に行っても似たようなものなので、選択肢がないというのもあります。


ま、ついでにクリエイターと呼ばれるこういった仕事は「裁量労働制」という逃げ場があったりもします。「自分の自由に時間を設定して働いているんだから、そもそも残業って概念ないよね。だから残業代ももちろんないよね」というもの。


もちろん実際には自由なんてありません。名ばかり店長みたいなものだと思ってもらえれば・・・。


 


あの業界で、ある程度まともにやっていこうと思ったら、どうにかして安定した大企業にもぐりこみ、そこで管理職の道をつかみとるか、独立して成功するしかない。




「そこそこの会社でそこそこ頑張る」という中庸の選択肢はないんです。
「そこそこの会社」では「命削って死ぬ寸前まで安月給でこき使われる」ことにしかなりません。


 


これは、実はデザイナーを目指すような人なら新人でもわかっていることです。
私も入社する前から、その会社で一生養ってもらえるとは思いませんでしたし、そういう意識の新人はいなかったと思います。
「そこそこの会社」にしか入れなかったのなら、そこから這い上がるしかありません。
なので、全員が最終的に独立か大企業かは別として、自分なりのキャリアアップの目的をもって、新人から仕事にあたっていました。
そして実際、私の同期についてはほぼ全員が転職に成功するか、独立しました。(ただ後輩についてはほぼ全員がドロップアウト・・・ただ単にやめてしまいました・・・)


私も途中で漫画家になるという別の目標ができてしまったので、デザインはドロップアウトしてしまいましたが、漫画にはまる前は将来的な転職を最初から目指していましたし、そのつもりで業務していました。


それは、この手の業界ではほとんど常識に近い認識なんですね。
もちろん、最初からトップに近い大企業に入ってしまった人は、そこで一生勤め上げる意識の人もいるとは思いますが。



なので、この記事のおっさんたちは何を言っているのだろうという、そういう印象です。


まあ、デザインとアニメと、違いますから、一緒にしちゃいけないのかもしれませんけど・・・。


クリエイターって、安月給の手足みたいな末端は数いりますけど、上にあがるほど不要になるんですよ。


手足なら安くて体力がある若手がいくらでもくる。アニメもデザインも、厳しいと知っていてもそれでも来る。


上に書いたような人を人とも思わないような凄まじい待遇でも、それでも「絵で生活できればいい」「アニメやデザインに関わっていたい」と、頑張っちゃう若手は多いんです。(ある程度以上の年になると、結婚できないとか家族を養えないという理由で消えていきますが・・・・)


まあ、だからいつまでたっても待遇が上がらないんですけど・・・。


でも、手足に指令を出す脳はたくさんはいらないんです。管理職ですね。


年とってもクリエイターの道にいたいなら、本当に相当の覚悟と準備がいるんです。


 


ま、実はそれはクリエイターに限らず、今後はすべての会社員に言えることかもしれません。
以前の「普通」「中流」「中庸」「そこそこ」「まあまあ」な道って、どんどん無くなっているなあと思います。


私も決して人ごとではないのです・・・。

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